「社会保険に正しく加入しなければ、最後に損をするのは社員である理由」
早期退職後は国民健康保険に切り替えるだけだと考えていた方も多いでしょう。実際には、社会保険との違いを「会社負担があるかないか」というレベルまでしか理解していないケースが少なくありません。その結果、中小企業側で加入を推奨しないミスリードに陥ることがあります。
## 社会保険と国民健康保険の主な違い
### 1. 補償内容
– 傷病手当金
傷病で働けなくなった場合、最大1年半、元給与額面の約3分の2が支給されます。
– 出産手当金
産前6週間・産後8週間にわたり、元給与額面の3分の2が支給されます。出産時にも所得補償が受けられます。
– 障害年金
国民年金加入者は障害基礎年金のみですが、厚生年金（社会保険）に加入していると「障害基礎年金＋障害厚生年金」の2階建てで受給できます。
### 2. 保険の種類
| 社会保険 | 内容 |
|———-|——|
| 健康保険 | 医療費・傷病手当金など |
| 厚生年金 | 老齢、障害、遺族年金 |
| 介護保険 | 40歳超で強制加入、65歳以上は保険料不要 |
| 雇用保険 | 失業給付（最大1年）・自己都合退職時の一部給与補償 |
| 労災保険 | 会社で怪我をした際の医療費と治療中給与 |
| 国民保険 | 内容 |
|———-|——|
| 国民健康保険 | 医療費負担、傷病手当金はなし |
| 国民年金 | 基礎年金のみ |
## 重要ポイント
– 社会保険＝健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険・労災保険
– 国民保険＝国民健康保険＋国民年金
会社勤めの健康保険と国民健康保険では、補償範囲や加入手続きが異なります。特に介護保険は40歳超で強制加入となり、65歳以上なら保険料不要でサービスを受けられます。
## 退職時の注意点
– 国民健康保険への切替えだけでは、社会保険の補償（傷病手当金・出産手当金・障害厚生年金など）が受けられません。
– 企業側が「加入しない方がコスト削減になる」と勘違いしているケースもあります。実際には、社員が損をするリスクが高まります。
## まとめ
社会保険に入る前に、自分が受けられる補償内容と会社の負担を正確に把握しましょう。
「こんなはずじゃない」と感じることなく、安心して働くためにも、加入時点で全ての制度を確認することが重要です。