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理系ならAMDの株が買いたくなる動画w

生成AIによってGPUの需要が爆発的に伸びている今、NVIDIA一強に見えるGPU市場の裏で、AMDも確実に牙を研いでいる。表面上は「CUDAの囲い込み」で優位に立つNVIDIAだが、アーキテクチャの設計思想・オープンプラットフォーム戦略・コストパフォーマンス──それらを総合して判断すると、AMDにも確かな技術的意義と勝算があると感じさせてくれるのが、以下の動画だ。

この動画を観てあらためて実感したのは、リサ・スーという人物の異常なほどの戦略眼と技術理解の深さだ。おそらく動画投稿者はAMDやリサ・スーの信者だと思われるが、それでも内容は極めて冷静かつ客観的。CUDAとROCmの思想的違い、アーキテクチャ選定、コスト戦略、AI用途への展開の差──こうした点を理路整然と説明しており、理系なら納得せずにはいられない。

実は昔、自分が勤めていた企業にも一時期、リサ・スーが在籍していた。彼女がより多くの裁量を持っていたら、その会社も今頃はGAFAMに並ぶ力を取り戻せていたかもしれない──と思わせるほど、彼女は「わかっている人」だった。ただ、古い体質の企業にそんな土壌はなかったし、AMDほど経営的に追い詰められていたわけでもないから、そこまでの改革は起きなかった。

だがAMDは違った。

リサ・スーがCEOに就任してからのAMDは、Zenアーキテクチャの開発に全振りし、RyzenによってIntelに価格性能比で揺さぶりをかけ、EPYCではサーバー分野にも楔を打ち込んだ。今やTSMCの最先端ノードを武器に、製造面でも遅れはない。GPUではRadeonに加え、AI・HPC向けにはMI300シリーズも登場。NVIDIAの牙城に真っ向勝負を挑んでいる。

生成AI時代の今、GPUは単なる描画装置ではなく、“計算資源そのもの”となった。CUDAで囲い込むNVIDIAに対して、AMDはオープンエコシステム(ROCm)で挑む。この思想の違いを理解することは、今後のAI・HPC開発を考える上でも不可欠だ。動画ではその点が非常に丁寧に解説されており、「今AMDが何をしようとしているか」「なぜ市場が彼らを侮れないのか」がクリアに見えてくる。

文系には少々ハードルの高い内容かもしれないが、理系なら間違いなく刺さる。むしろ、この動画を観てワクワクしないようなら、AI時代のテクノロジーに興味がないと言ってもいい。実際、視聴後は「AMD株を買いたくなる」のも当然だし、個人的には「もしリサ・スーが将来AMDを退任して他社に移籍したら、その企業の株を買うべき」とすら思っている。

リサスーは2014/10 AMD CEOに就任

スティーブ・ジョブズ亡き今、エンジニアリング界で「本物の天才」と呼べる人物がいるとすれば、それはおそらくリサ・スーだ。

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