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「主食を市場に任せるな」──国会討論に見る農業政策の対立と、崩れゆく性善説的商売

📺 参考動画:

【国会中継】「質問ではない、もはや怒りだ」進次郎大臣が玉木代表に激怒(https://youtu.be/jv6l7m9btyE?si=Nsv9_V6TSXIBC1wS)

▶ 玉木雄一郎代表:政府が主食を守るべきという立場

この討論でまず注目されるのは、国民民主党の玉木雄一郎代表が**「米価下落」「備蓄米の放出による価格崩壊」**を厳しく批判し、小泉進次郎農水大臣に「政府の対応が不十分」と詰め寄る場面です。

玉木氏の主張は一貫していて、

  • 主食である米を市場に完全に委ねると、生産が不安定になり、農家が疲弊する
  • 政府が備蓄米を市場に出すのなら、それと同時に再補充の方針を明確にすべき
  • 価格が下がりすぎた状態で「需給調整機能が働いた」と言うのは、政府の責任逃れだ

という強い問題提起です。

背後には「米は国民の命を支える安全保障の一部である」という考えがあり、自由競争ではなく政府が責任を持って調整すべきだという姿勢が読み取れます。

▶ 小泉進次郎大臣:市場原理と農家の自立を重視

それに対し、小泉大臣は一貫して「質問ではなく怒りだ」と応じ、強く反発します。

進次郎氏の主張は、

  • そもそも米価が下がっている原因は「需要減」であり、構造的問題である
  • 備蓄米は法律に基づいて定期的に入れ替えしており、何もかも政府の責任にするのは違う
  • 「農家が自立する方向に制度を変えていかねばならない」という長期的視点が必要

という、市場メカニズム重視・農家の自立支援という政策スタンスです。

特に「いちいち政府が介入して価格を支えることは本質的解決にならない」という根底には、「日本農業の競争力強化」や「補助金依存からの脱却」といった改革意識があります。

▶ 両者の主張の違いと意図
視点 玉木雄一郎 小泉進次郎
米価対策 備蓄米の再補充と価格維持が必要 市場に任せるべき
政府の役割 介入してでも主食を守る 農家の自立を支援
リスク認識 食料安全保障の問題 政策依存の悪循環を懸念
意図 「食」は国が責任を負うべき 「構造改革」への布石

玉木氏は**「政府が何もしないと主食すら失われる」という危機意識、

小泉氏は「介入が多すぎると農業が競争力を失う」**という改革意識から発言しており、どちらも理にかなっていますが、立脚点が異なります。

▶ 転売ビジネスと「性善説」の崩壊

今回の討論が示唆するのは、単なる米価の問題だけではありません。

現代の日本社会では、主食すらも「転売対象」になりかねないという現実です。

かつての日本では、「足るを知る」や「お互い様」の精神に支えられた、性善説的な商習慣が存在していました。しかし、以下のような背景によりそれが崩れ始めています。

📉 商習慣の変化と中国的ビジネス文化の浸透

  • メルカリやネットオークションの普及により、あらゆる物が「利益の種」に
  • 食料や生活必需品さえも買い占め → 高値転売の対象に(例:マスクや水、トイレットペーパー)
  • 中国の転売ビジネス的思考(「仕入れて売る」ことが正義)が個人レベルでも拡大
  • 公共性よりも私益が優先される構造が日常に浸透

こうした背景を考えると、「米を自由競争に任せる」という政策には、価格破壊だけでなく、買い占めや投機の温床になりうるリスクも潜んでいます。

✅ 結論:主食は自由競争だけに委ねるべきではない

自由市場には効率性がある一方で、「道徳なき競争」が暴走するリスクもあります。

特に、主食である米は価格変動や流通障害が国家の根幹に影響を及ぼす安全保障物資です。

したがって、今後の政策に求められるのは、

  • 市場原理の長所を活かしつつ、
  • 転売や買い占めを防ぐための国家的な備蓄管理・価格調整
  • 「命を支える物」はモラルを含めた制度設計が必要

というバランスの取れた戦略です。

玉木代表の「政府が主食を守れ」という主張は、こうした視点から見るとき、より説得力を帯びてきます。

一方、小泉大臣の「農家の自立と構造改革」も、中長期的には必要不可欠な視点です。

おーら
個人的には自由競争推進派だが米とか安全保障に関わる範囲はその対象外だと考えている。スンズローに次の選挙の顔として復活してもらおうと考えているんだと思うが相変わらず中身がない。そもそも米価引き下げは江藤大臣がJA→卸売→小売の卸売をすっ飛ばすよう指示出していたのでそれで下がっていくだけの話らしい。江藤大臣の手柄を横取りしただけ笑。
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おーら: