小泉米」なんて言葉が躍ってるが、実際には江藤前農水大臣が整備した“卸売を飛ばして小売に直接回すルート”を利用したもの。ただ、今回「競売方式から随意契約に変更した」点は確かに新しい試みだ。
だが、その評価は慎重にする必要がある。確かに競売よりスピード感はあるが、その分「価格メカニズムが働かない=価格抑制効果が読みにくい」リスクもある。
そして何より、やってることが「小出し」では意味がない。
戦争と同じで、逐次投入では勝てない。市場も転売ヤーも「また小出しか」と様子見するだけ。
アベノマスクは再利用可能な綿製だったから、子供サイズと揶揄されようが、一度出回れば体裁と配慮だけで付けたい人がそれで十分になるので一気に需給バランスが変わり相場が大暴落した。
でも米は食べたら無くなる=需要が尽きない。テレビが「米の長期保存法」の特集で煽れば普段より余計に買いだめしておこうとする人が増えて、なおさらだ。
つまり、政策の仕組みがどうこう以前に、「戦略として甘い」という問題がある。
随意契約にしたのは確かに新しいが、それだけじゃ不十分なんだよ、スンズロー。
あと備蓄米を放出し続けて枯渇する懸念が出ている中、玉木氏が国会でその点を追及していた。
だが、問題の本質は単純だ。足りないなら、米を買えばいいだけの話だ。
そして2025年現在、米国の大統領はトランプ。こういうときこそ外交と政治の腕の見せどころではないか?
🇺🇸 トランプ×🇯🇵石破総理の“友情アピール”に最適
事前に日本政府がトランプに根回ししておき、「日本が困っていると聞いた。友人として今年のカリフォルニア米を大量に備蓄用に確保した」と発表してくれとでも耳打ちしておけばどうか?
石破総理がそれを「ありがたく活用させてもらう」と発表すれば、日米の友好関係を国際的にアピールできる。
同時に、トランプは米国内の農家に対して「俺が市場を作った」と大いに顔が立つ。石破氏にも実務型リーダーとしての評価が加わる。
これは政治的に“全員得する”仕組みなのだ。
📦 備蓄米だからこそ成立する一時的緊急策
そして重要なのは、この策が恒常的な外国米導入ではなく、あくまで一時的な緊急策である点。
- 備蓄米はもともと政府が買って保有する枠組みで、制度内処理。
- 保存期間が来れば、品質に難があっても飼料用や加工用に回せばいいだけ。
- 国民が食糧危機に直面すれば、たとえカリフォルニア米が多少美味しくなくても、黙って食べる。
- 何より、台湾有事のような地政学リスクが現実味を帯びている今こそ、“食糧安全保障”を具体的に可視化できるタイミングだ。
🧱 問題はただひとつ、「JAの顔」だけ
制度も予算も国際関係もクリアできる。唯一の障害は国内農業利権(JA)に対する政治的配慮だけだ。
だが本当に守るべきは、農業利権ではなく国民の食卓だろう。
「国民に忖度する自民党」へと舵を切れなければ、どれだけマスクを配っても米を撒いても、信頼は戻らない。