近代日本の増税の歴史
■ 戦後〜高度経済成長期
■ 吉田茂(1946–1954)
- 固定資産税(1947年)導入
→ 戦後の財政再建と地方財源確保のため。戦前の地租制度に代わる新税。
■ 池田勇人(1960–1964)
- 所得税の減税・法人税の引き下げ(1960年代前半)
→「所得倍増計画」に沿って景気刺激策として実施。
■ 佐藤栄作(1964–1972)
- 特に大きな増税・減税はないが、高度経済成長期に伴う税収増を背景に地方税制拡充。
■ 1970年代〜バブル期
■ 田中角栄(1972–1974)
- 自動車関連税の整備・増税(1970年代)
→ 自動車重量税・取得税など、自動車保有コストを引き上げ。都市インフラ整備財源として活用。
■ 福田赳夫(1976–1978)
- 「一般消費税」構想を提起(実現せず)
■ 大平正芳(1978–1980)
- 一般消費税法案提出(1979年)
→ 国民の反発で廃案。初めて「消費税」的な国民課税を国会提出。
■ バブル崩壊〜平成の税制改革
■ 竹下登(1987–1989)
- 消費税の初(3%)導入(1989年4月)
→ 日本の間接税制度の大転換。
■ 宮澤喜一(1991–1993)
- 所得税・法人税の恒久減税(1990年)
→ バブル崩壊に対応。
■ 細川護煕(1993–1994)
- 国民福祉税(消費税7%)提案(実現せず)
■ 橋本龍太郎(1996–1998)
- 消費税率3%→5%(1997年4月)に引き上げ
→ 財政再建を目的とした「橋本行革」の一環。
■ 2000年代〜リーマンショック後
■ 小泉純一郎(2001–2006)
- 定率減税の縮小・廃止(2004–2006年)
→ 所得税・住民税の減税措置を段階的に廃止し、実質増税へ。
■ 福田康夫(2007–2008)
- 道路特定財源の一般財源化提案
→ ガソリン税などの使途変更を検討。
■ 民主党政権(2009–2012)
■ 鳩山由紀夫(2009–2010)
- 子ども手当導入と引き換えに扶養控除廃止へ(実質増税)
■ 菅直人(2010–2011)
- 消費税増税を公然と提案(「社会保障と税の一体改革」構想)
■ 野田佳彦(2011–2012)
- 消費税増税法(5%→8%→10%段階的引き上げ)を成立(2012年)
→ 実施自体は次の政権(安倍)だが、法案成立は野田内閣。
■ 安倍晋三政権(2012–2020)
- 消費税8%実施(2014年)・10%実施(2019年)
→ 法案は前政権のものだが、実施タイミングと軽減税率の設計は安倍政権で決定。 - 法人税率の引き下げ(29.97% → 23.4%など)
→ 外資誘致と国内投資促進目的。
■ 菅義偉(2020–2021)
- 大きな税制変更なし(コロナ対策中心)
■ 岸田文雄(2021–2024)
- 防衛増税方針(2022年)発表:法人税・たばこ税・復興特別所得税の増税
- 法人税の増税:4%の上乗せ課税
- 所得税の増税:1%の上乗せ課税
- たばこ税の増税:加熱式たばこも含めた段階的な増税
- 金融所得課税の見直しを示唆(未実施)
まとめ(主な税制改正と総理)
税目 | 導入・増税など | 主な総理 |
固定資産税 | 導入(1947) | 吉田茂 |
自動車税関連 | 増税・制度整備 | 田中角栄 |
消費税 | 導入 3% | 竹下登 |
消費税 | 増税 5% | 橋本龍太郎 |
消費税増税法 | 成立 5→10% | 野田佳彦 |
法人税引下げ | 実施 | 安倍晋三 |
定率減税廃止 | 実施 | 小泉純一郎 |
防衛増税方針 | 発表 | 岸田文雄 |

日本の近代政治は、「税金をどう取るか」の歴史だったと言っても過言ではない。
とりわけ、自動車や消費に対する課税は、国民生活に直接響く重税として制度化されてきた。世界的にも類を見ない自動車重課税の基礎を築いた田中角栄、国民の反対を押し切って消費税を導入した竹下登、そしてその税率を倍の10%へと引き上げる決定を下した野田佳彦。いずれも、「国民からカネを吸い上げる」発想が色濃い政権だった。
中でも、野田政権以降は「福祉」や「分配」を口実にした左派系政治家による増税路線が加速している。
この3人を、あえて呼ぶなら「日本の増税三悪党」とでも言うべきだろう。
田中角栄は、日中国交正常化に尽力したとして評価される一方で、メディアが持ち上げる「日本列島改造論」も実態としては重税と利権の温床となった。竹下登は、消費税導入の責任者。原案を作った大平正芳や福田赳夫もその流れを築いたが、大平氏は任期中に亡くなったため、一定の情状酌量はあってよい。なお、次点として挙げるならば、消費税を5%に引き上げた橋本龍太郎あたりか。
そして最悪なのは、現・立憲民主党の野田佳彦である。5%から10%へという国民負担の“倍増”を決めた当人でありながら、野党時代には政府の経済政策を批判してきた。自己矛盾も甚だしい。
この3人に比べれば、「増税メガネ」と揶揄された岸田文雄の増税など、まだ可愛いものだ。むしろ、あれだけバッシングされて気の毒にすら思えてくる。あの安倍晋三元首相ですら、「魚屋のおっチャンネル」などのインタビューで、野田政権の決めた10%への消費税増税は景気に悪影響があると分かっていながら、財務省の圧力と法案の取引によってやむを得ず実施したと嘆いていた。
一度上げた税は下がらない。これは歴史が証明している。
政府の構造が変わらぬ限り、国民の財布は締め付けられ続ける。
特に、「福祉」や「再分配」を錦の御旗に据える左派的財政観に立つ政権は、国民の生活を守ることができない。
立憲民主党のような政党を政権に関わらせてはならないのはもちろん、自民党内の左派勢力にも退場を願う時期に来ている。
真面目な話で立憲民主全員と小選挙区選挙があれば自民党左派議員は狙い撃ちで落選させていかないと日本に未来はない。
ちなみに、備蓄米の放出をメディアが好意的に報じたスンズローについても、本人の戦略は空っぽでも支持する議員の大半は左派系・増税派という点も看過すべきではない。