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修行ゼロの寿司屋が月商7000万円!話題の店主はリクルート出身の戦略家だった

料理研究家リュウジ氏のYouTubeチャンネルで公開された動画「修行ゼロ日の寿司屋に修行30年の寿司職人を連れてった結果がヤバい」が、思わぬ気づきを与えてくれた。

普段は長尺動画もリュウジ氏の動画も観ない筆者だが、タイトルに惹かれて15分ほど視聴した。

内容はタイトル通り、寿司修行をまったくしていない素人が営む寿司屋に、38年の経験を持つ本物の寿司職人を連れていき、どんな反応を示すかを描くというもの。

最初は「どうせ話題づくりのパリピ寿司屋だろう」と軽く構えて観ていたが、店の裏側にはしっかり修行を積んだ職人が存在し、素人は“表の顔”として看板に立っているだけ。にもかかわらず、この寿司屋は月商7000万円という実績を叩き出している。

「素人が始めた店」が成功した本当の理由

動画内で語られるエピソードによると、この寿司屋はもともと取り壊し予定のビルで始まった“実験企画”だった。「素人が1年間だけ寿司屋をやったらどうなるか?」という、半ば遊びのようなプロジェクトだったという。

当初はノリのいい人間(パリピ)が運よく幸運をつかんでぼろ儲けしたのかという印象だった。

しかし、話を追ううちに、「この店主は人材派遣業も手掛けている」「リクルート出身だった」という情報が出てくる。ここで印象が一気に変わった。

ただの寿司好きな素人ではなかった。

むしろ、リクルートで磨いた人材戦略・企画力・コスト感覚といった“ビジネス力”を持ち、それを現場に落とし込む実行力もある人物だったのだ。

遊びから始まったとはいえ、蓋を開ければきわめて合理的かつ戦略的に運営されており、見た目の“素人感”と実態のギャップに驚かされる。

レッテルと肩書き、そして「属性」で評価される社会

この動画を観ながら、ふと昔の職場で見たある光景が頭をよぎった。

そこには、英語が堪能な「女性」という属性を持つというだけで、ろくに実績もないまま重役にまで抜擢され、その後ヘッドハンティングされベンチャー系のIT会社副社長に就任した人物がいた。

だが、その実力はすぐに露呈し、短期間で解任された。

もちろん、女性の社会進出や登用が重要であることは間違いないし、突出した部分は別にして女性の方が平均的に有能だと考えている人間と自認している。

  • 数学五輪・ノーベル賞受賞者・天才と呼ばれる極端な上位層に男性が多い。

  • その一方で、犯罪率、発達障害、ホームレス率、学業不振など極端な“下位層”にも男性が多いという統計が存在します。

ただ、実力をきちんと見極めないまま、特定の属性だけを理由にポジションを与える「キャンペーン的昇進」があるのもまた現実だ。

人の本質的な能力は、AIでも簡単には測れない。だからこそ、多くの人は「どこで働いていたか」「どんな属性か」「どんな肩書きを持っているか」といった“見えやすいラベル”で評価してしまうのだ。

今回の寿司屋も、最初は「素人だからどうせ大したことない」と思われていたが、実際には極めて緻密な戦略が裏にあった。それが見えてくるにつれ、偏見やレッテルが影響するか痛感させられた。

表面的な印象ではなく、本質を見ようとする姿勢が問われている

“修行ゼロの寿司屋”というセンセーショナルな話題の裏側には、むしろ現代的で実務的な戦略が詰まっていた。
それは、旧来の「修行=価値」という考え方を否定するものではないが、別のアプローチでも価値は生み出せるという証明でもある。

結局、社会で成功するには「実力」だけでなく、「どう見られるか」という側面も重要で、そこに属人的・属性的なフィルターがかかるのが現実なのだ。

つまり、いくら「実力がある」と言っても、その実力を可視化できなければ評価にはつながらない
評価とは本質ではなく「他人がどう認識できるか」によって決まる。
結果を数字で示す、肩書きや実績として提示する──そうやって見える形に落とし込まれて初めて、実力は“評価対象”になるのだ。

だからこそ、人は学歴や職歴、所属企業といった“レッテル”を手がかりに他者を判断する。
これは偏見というより、「実力が見えない」世界における、ある種の合理的な仕組みだとも言える。

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