1980年代から90年代にかけて連載され、社会現象ともなった漫画『沈黙の艦隊』。シーズン1がアマゾンプライムビデオで公開され、続編の実写映画版がついに完成し、2025年9月26日に公開されます。
物語の中心にあるのは「日本は本当に独立国家なのか?」という問いです。主人公・海江田艦長が核搭載型潜水艦〈やまと〉で示そうとしたのは、単なる軍事行動ではなく、日本の安全保障の根源的なジレンマそのものでした。
漫画が発行され30年間変わらなかった日本の安全保障の矛盾
冷戦後から今日まで、日本は防衛に関して大きな進歩を遂げたように見えます。潜水艦やイージス艦の能力は向上し、宇宙・サイバー領域にも対応し始めています。
しかし根本のジレンマは変わっていません。
- 憲法9条による専守防衛の縛り
- 核抑止力を持たず、米国の「核の傘」に依存する構造
- 国家戦略ではなく、技術や装備だけが進むアンバランスさ
これらはすべて、戦後GHQが課した「敗戦国としての制約」に始まり、その後、自虐的な左派思想が国内で強まり、縛りを一層きつくした結果とも言えます。
映画が投げかけるもの
『沈黙の艦隊』はエンターテインメントでありながら、日本人にとっては単なる娯楽にとどまりません。
- なぜ日本は「普通の国」として自立できないのか
- 本当に米国依存でよいのか
- 安全保障を「他人事」として済ませられるのか
こうした問いを、30年前と同じ熱量で、今の国際情勢の中で私たちに突きつけてきます。
国民がもう一度考えるきっかけに
この映画をきっかけに、国民が改めて戦後日本のジレンマを見直すことができれば、『沈黙の艦隊』は単なる復活ではなく、新しい歴史的意味を持つことになるでしょう。
9月26日公開。今こそ、日本人一人ひとりが「この国をどう守るのか」を考え直す時かもしれません。