1) トリガー:石破首相の辞意(事実)
- 直近の報道によれば、石破茂首相が党内分裂回避のため辞意を固め、近く正式発表するとの報道が出ています。これにより自民党は臨時の総裁選(=次期首相選び)局面に入ります。
2) 背景:与党の「少数化」と議院内閣制の制約
- 参院・衆院の選挙結果や与党の議席状況の変化で、自民+公明の与党側が「安全な多数」を常に確保できない状況が指摘されています。党内で総裁が決まっても、国会(衆参の首班指名)でその人物が首相に選ばれる保証が薄く、連立相手との交渉が不可欠な政治環境になっています。
3) 総裁候補の構図(報道で名が挙がる人物)
- 報道や世論調査で名前が出ているのは 高市早苗氏(保守右派)・小泉進次郎氏(改革左派) を含む複数。この2人の一騎打ちでしょう。両者は支持基盤や政策軸が異なり、連立の相手先も自然と変わります(高市→国民民主/参政党の条件付き連立案が、小泉→維新との協力が想定される)。 ちなみに石破政権は公明以外に連立は組んでいないもののイデオロギーの近い野田代表を擁する立憲民主が支えていたようなものです。
4) 「玉木(国民民主)」の位置付けと交渉力
- 国民民主の玉木雄一郎代表は、参院選での躍進や党の存在感から政局の“キーマン”と評され、与党側が政策を飲むなら連立(あるいは部分的合流)に応じうるという観測が流れています。報道では「財務大臣としての入閣」や、極端なケースでは「(連立条件として)首相ポストを実現する可能性」まで議論材料になっていることが指摘されています(実現性は高くないが、交渉カードとしての存在感は大きい)。
5) 維新の現況と藤田文武氏
- 維新は参院選以降に幹部構成が変わり、国政での中心人物が移りつつあります。吉村代表は府政を放置して入閣できないので、党の実務面で存在感を持つ藤田文武氏が連立に入る場合に閣僚級ポストが想定されます。
6) 交渉の典型パターン(現実的な見立て)
- 現実的に起こりやすい順は概ね次の通りです。
- 「大臣ポスト(財務・経産・文科など)を条件に国民民主/維新が連立に入る」 → 最も常識的。
- 「国民民主が“財務大臣”級を確保して政策を主導する」 → 報道でも想定されるシナリオ(玉木=財務の入閣)。
- 「(極めて異例)首相のポストそのものを引き渡す」 → あり得なくはないが、国会での首班指名・与野党関係を含め高いハードル。報道は“観測”として伝えているに留まります。
以上が「起点(石破辞意)→総裁選→連立交渉」までの、報道に基づく整理と実務的見立てです。
次に、これを受けて 各ケース(高市案:玉木首相案/玉木財務案を含む、 小泉案、 玉木首相単独案) が実行された場合にどのような政策展開になるかを、予想します。
各ケースの政策展望
以下は「連立の実務シナリオ」を前提にした政策予測です。事実関係(各人物の公的立場・発言)には報道を参照しています。主要な政策分野ごとに結論を短く示し、その後で比較表にまとめます。
A. 高市早苗総裁(+国民民主を取り込む条件としての二つの変形)
A1)ケース:高市が総理、玉木が財務大臣(重要ポスト)として参加する連立
- 経済:高市の保守色と玉木の「手取り重視」路線がミックス。積極財政で成長投資+所得対策(減税・控除拡大)を掲げる可能性が高い(玉木の減税志向・ガソリン暫定税率廃止要求を反映)。
- 安全保障:高市の強硬(保守)路線で防衛力強化を前面に。玉木は法制・手続を重視する現実主義で、対米同盟重視の方向は維持。
- エネルギー(原発):高市は原発推進色が強く、再稼働・技術支援を積極化。玉木は現実的妥協で再稼働を容認しつつ社会的合意形成を図る可能性。
- 社会政策(選択的夫婦別姓、女性・女系天皇):保守色の強い高市の下では 慎重・後退。玉木が財務ポストで影響力を行使しても、憲法や天皇制に関わる社会文化問題は合意困難。
A2)ケース(異例):
高市が党の顔だが、連立条件で“首相ポスト”を玉木が得る
(=玉木首相シナリオ)
- 背景と実現可能性:非常に異例だが、与党が国会で首班指名を確保できず「大連立」の一環で実行する想定。報道で観測されているものの、現実には高い政治的コストと手続上の困難があります。
- 政策方向:玉木首相の政策重心(減税・家計支援・現実的な安全保障)を軸に、短期的に生活支援(ガソリン減税、控除拡大)、長期にわたり安定的な財政運営を目指す折衷路線。高市の保守色は閣内で一定程度反映されるが、首相が玉木であるため、社会文化面(皇室関係など)の大きな保守回帰は抑えられる可能性が高い。
B. 小泉進次郎総裁(+維新との連立、藤田文武氏が経産大臣クラスで参加)
- 経済:規制改革・構造改革+財政規律(緊縮財政)を重視。維新の規制緩和路線と小泉の「世代公平」的観点が合流し、成長志向の改革(スタートアップ支援、規制緩和、地方創生)を推進。藤田氏は経産の看板政策を担当。
- 安全保障:日米同盟の堅持と必要な防衛力整備は継続。ただし「高市ほどのタカ派色」は薄く、現実的・段階的な強化に止まる可能性。
- 原発・エネルギー:小泉は過去に「脱原発」志向を示した経緯がある一方、維新は現実路線(再稼働容認)なので当面は再稼働を容認しつつ、再エネシフトを進める折衷が現実的。
- 社会政策(選択的夫婦別姓・女性/女系天皇):小泉側と維新は相対的に前向きなので、議論を前進させやすい。法改正や手続き整備が実際に動く可能性が高い。
C. 玉木雄一郎が首相(国民民主が主導する野党連立・あるいは“玉木首相”が実現したケース)
- 実現性:通常の筋ではない(党慣行上かなり異例)ためハードルは高いが、議席配分や国会の多数確保の条件次第で“政権の顔”になりうるとの観測が報道で挙がっています。
- 経済:家計支援優先の積極財政(ガソリン税の暫定税率廃止、103万→178万の壁是正など)、中所得層の手取り改善に向けた施策を迅速に進める。財務運営は玉木の実務性が反映されるため、短期景気対策+中期的な財政見直しの組合せが想定されます。
- 安全保障:玉木は現実主義で日米同盟重視。防衛強化は進めつつも、派手な拡張路線は取りにくい。
- 社会政策:選択的夫婦別姓の前進や、女性の活躍策は比較的実行に移しやすい政体となる可能性がある(立法優先度が高まれば実現性上がる)。
野党連合で玉木代表の首班指名は左派政党がすべて反対であり得ないし、野田代表も国民民主が反対するのでない。
短い比較表(要点抜粋)
分野 | 高市+(玉木が財務) | 高市+(玉木が首相) | 小泉+維新(藤田経産) | |
経済 | 積極財政+所得支援(折衷)。玉木が財務なら給付系の実行力↑。 | 給付・減税を優先、社会対策が前面に(ただし政治コスト高) | 規制改革・成長優先。財政規律に配慮。 | |
安全保障 | 高市主導で強化。玉木は現実的対処。 | 玉木首相でも防衛強化は継続だが過激化は抑制。 | 日米同盟堅持、段階的強化。極端なタカ派色は薄い。 | |
原発・エネルギー | 高市主導で再稼働推進。玉木は現実妥協。 | 玉木首相なら社会的合意を重視しつつ再稼働は容認の折衷。 | 維新+小泉で「当面再稼働+再エネ加速」折衷。 | |
選択的夫婦別姓・女系天皇 | 保守色強く停滞。 | 玉木首相だと前進の余地(だが保守勢力の反発あり)。 | 小泉+維新は前向きで立法化の可能性↑。 |
最後に
- 石破辞意を受けた総裁戦・政局は「誰が総裁に選ばれるか」だけでなく、「誰と組むか」で政権の色が大きく変わります。自民が単独で安定多数を欠く状況では、国民民主(玉木)、維新(吉村)といった中小政党の交渉力が増すのが現実的な鍵です。
- 玉木氏の“財務相”入りは現実的で影響力も大きく、逆に「玉木首相」は可能性は報道上示唆されるものの、手続き上・政治的コスト上とも極めてハードルが高い(ただし議席配分次第でゼロではない)。
おーら
70-80%の確率で小泉進次郎総裁だと予想しているが、石破政権同様に国民にはまた辛い時代がやってくる。3連続に左派政権を続けると日本はマジで地盤沈下起こしてしまう。正確には菅義偉総理も中道左派なので4連続か笑。今の日本が緊縮財政なんてやったら成長志向の改革なんてクソの役にも立たない。高市総裁の場合参政党と単独で連立の方が都合がよさそうと思ったが、参政党は参議院選挙で大躍進したものの衆議院に3議席しかなかったので無理か。