サンパウロの公立学校教師が年間334人もの退職者が出ています(※1)。日本では教員という職業は依然として安定している印象があります。かつては「教員になるのは義務的だった」時代から、「優先的に声をかけるほど希望される職場」という変化が起きています。
私の周りにも大手企業を辞めて教壇に立つ人がいます(※2)。以前なら考えられない光景です。リストラリスクほぼゼロで長期間育休後でも復帰可能、昇給は年功序列で安定——理想的な職場環境と言えます。
今回は「初任給」について考えてみましょう。業界別初任給ランキング(※3)から企業を想定すると、「初任給30万円/平均年収550万円/平均年齢40歳」という数値が目立ちます。賞与を年4ヶ月分と仮定すれば年間480万円となり、昇給率は月額約3,200円(※計算式)です。
ランキング上位企業の名誉に配慮しつつも、初任給だけでなく「平均年収」と比較することが重要です。新入社員にとっては初年度の高給与が魅力ですが、長期的な昇給率をどう評価するかが鍵になります。一部企業ではベースアップ(基本給の引き上げ)が行われていますが、実態は厳しい現状です。
これから成長が期待できる業種を見極めることが課題でしょう。一方で老後や退職問題を考える機会が多い現代ですが、たまに「新入社員時代の視点」に戻ってみることも良いかもしれません。
※1:http://saopauloshimbun.com/サンパウロの州立校教師%E3%80%80月平均334人が退職/
※2:同上記事参照
※3:https://toyokeizai.net/articles/-/65752?page=3