大腸ESD手術後の実生活

ハテナースによると大腸ESD手術後の主なリスクとして1.7%の後出血と3.3%の穿孔がある。(サンプル数688件)

穿孔は大腸に穴が空きそこから内容物が内臓の外に飛び出して腹膜炎などになり放置すれば命に関わる病気だ。

合計するとなんと5%が後出血か穿孔を起こしている。

20人にひとりだ。

穿孔の発生率は大腸EMR手術の37倍もリスクがある。

後出血とはヘモグロビンの数値が一定以下に低下もしくは吐下血をきたしたものと定義されており治療当日から3日以内が圧倒的に多くなっている。

出血量が増えると循環動態に変化が起き血圧低下から意識障害を引き起こすこともある。

処置の具合から後出血の可能性が高い患者さんがある程度わかる。

後出血の予防のためには明確な基準はないが運動や飲酒を1週間程度制限する。

抗血栓薬を内服している患者は治療後も一定期間中止しておく場合もある。

大腸の壁に穴が開いてしまうことを穿孔といい手術中に穿孔する以外に処置後少し時間が経過してから穿孔することがある。

これを遅発性穿孔という。

遅発性穿孔の症状は発症直後では所見の乏しい場合もあるが時間とともに重症化し腹膜刺激症状がある。

大腸の内容物が腹腔内に漏出し汎発性腹膜炎を引き起こす。

遅発性穿孔と診断された場合は、基本開腹手術になる。

発性穿孔を生じるきっかけとして術後排便時のいきみ、飲酒、運動などが関与するといわれている。

医師から血管が少ない腫瘍を切除したので出血は少ないだろうといわれた。

大腸の切除した部位によって下血の色が変わり小腸に近ければどす黒くなり肛門に近ければ赤くなる。

処置が必要な場合は患部がどの位置でも赤い血が止まらないほど大量に出る。

この状態ではまずいので赤い血が増えてきたら病院に連絡だ。

自身の場合は小腸近くの盲腸のポリープを切除したので最初は黒い便に赤い血がべっとり付いて流すと真っ赤になる便が出て2回目から真っ黒な便だけで赤い血は無かった。

黒いタール便が出始めて3日目で止まり普通の便と黒い便を繰り返している。

よほどのことがない限り後出血は大丈夫ではないかと考える。

予断を許さないのは遅発性穿孔だ。

術後いつ穿孔しているかのデータがないためいつまで運動を控えたらいいのか排便のいきみを抑えたらいいのか分からない。

食生活は1週間お粥などの低残渣食のみで次の1週間もできるだけ消化のいい食事をするのが一般的なガイドラインになっている。

剥ぎ取ったのが4cmでも同じだろうか?

大事を取り長めに運動と酒は4週間控える。

食生活については退院日より2日間はキューピーの大腸内視鏡検査食を食べて血便が止まったのを見て次の2日間は朝はパンで昼と夜はレトルトのお粥と豆腐、サラダチキン、温泉卵のみを食べていた。

カロリー不足は黒飴、プリン、リンゴジュースで補った。

消化の良くて繊維分が少ない食事になると外食やスーパーのお惣菜や弁当では絶望的だ。

といって毎日お粥だけでは栄養失調になる。

毎日消化のいい高栄養の料理をしないといけないのが大変だ。

だから朝はパン昼はお餅(雑煮)で夜はレトルトのお粥を主食としておかずは鯛、ヒラメ、鮭、銀だらの煮魚や焼き魚、豆腐、卵豆腐、キノコが入っていないできあいの茶わん蒸し、燻製のサラダチキン、温泉卵の組み合わせで料理は一品だけにして冷凍してまた翌々日に使って楽をした。

なお雑煮の小松菜は普段の5倍以上煮込んでクタクタにした。

当初小松菜の茎も食べていたが一旦通常になった便がまた黒くなったので葉だけを食べるようにした。

おやつは米粉の団子、ういろう、バナナなど消化にいいもの。

餅は消化の良し悪しで賛否あるので安全をみるならやめたほうがいい。

コーヒーを抑えるのはつらいのでヨーカドーのカフェインレスコーヒーを飲んでいる。

フレッシュもヨーカドーのクリーミングパウダーを使っており原材料名の最初(一番含有量が多い)にデキストリンがあった。

デキストリンって食物繊維のようなものじゃなかったのか?と調べてみたら食物繊維の代用品は「難消化性デキストリン」でありただのデキストリンはジャガイモやトウモロコシのでんぷんなので大丈夫かとそのまま使った。

大好きな梨が激安のザ・ビッグで大玉150円にて販売していたので一度かごに入れたが調べると繊維の多い果物なので棚に戻した。

食べたいものをネットで検索して繊維質と消化のよさを調べていくと上記の食べ物以外ほとんど手が出せなかった。

アレルギーなどでスーパーで食材をチェックしなければいけない人の大変さの一端を感じた。

大腸カメラで大腸が傷んでしまったせいか脇腹痛が治らず過敏性腸症候群の疑いもあるのでうどんはやめておいた。

小麦粉を使ったパンも過敏性腸症候群は微妙だがこれまでNGにすると食べるものが無くなってしまう。

あと野菜が少なすぎるが繊維質の多い淡色野菜は避けた方がいいので限られてしまう。

とりあえずサプリメントのビタミンB,C,Eとマルチミネラルを飲んでいるので食物繊維が足りていないくらいなので良しとしている。

そして最近見つけたのがキューピーの介護食だ。

上の段から容易に噛める、歯ぐきで潰せる、舌で潰せる、噛まなくていいの四段階の固さのラインナップを揃えている。

これはまさに大腸ESD手術の患者にうってつけと買ってきた。

1袋200〜300円なので100円のお粥とセットにすれば大腸内視鏡検査食よりもコスパがよさそうだ。

味はいけるが量が少ないので出来れば最低2袋できれば3袋は食べたい。

煮込みハンバーグも食べてみたが7〜8袋でようやくハンバーグ1個分の量じゃないだろうか。

「容易に噛める」で十分でそれ以上柔らかいレトルトだとミキサーにかけたスープを飲んでいるようでイマイチだった。

他にたいめいけんのビーフシチューも食べてみたがキューピーの大腸内視鏡検査食のビーフシチューの方がおいしかったのには驚いた。

余裕を見て手術後4週間は食物繊維と油脂は控えたいが、飽きてくるのと毎回何か作らないといけないのは面倒なので昼は外食か弁当で夜は低残渣食にする。

外食もあまり選択肢がなくサイゼリアのランチのハンバーグセット、回転ずしで消化のいい素うどん、ホタテ、エンガワ、マグロ、エビ、タイやお惣菜を選べる定食屋で煮魚定食、和食屋の割子定食あたりをローテーションするしかなさそうだ。

ちなみに貝類の消化は最悪だが不思議とホタテの貝柱だけは消化がいい食品になっている。

前述の通り運動については約1カ月間ジムを休む。

大腸カメラのせいで脇腹がおかしくなってからこの2カ月間も実質数回しかジムへ行ってない。

今のところ体重は落ちたままリバウンドしていないので無理して通うことはない。

ジムの利用料がもったいないが一旦退会すると再入会の費用をケチって通わず徐々に体重が元に戻ってしまうのでいつでもいけるようにそのままにする。

当面はスーパーに買い物にいく程度の運動にして2週間過ぎたら外出を少し増やす。

もちろん脇腹の痛みが軽減されないとどうしようもない。

お風呂の関してはこれまでシャワーだけだった。

夏秋はシャワーだけなので問題ないが冬はお風呂に入りたくもなる。

手術後1カ月経過した11月中旬よりお風呂に入ることにする。

これだけ気を使っていて手術後10日を越えた現在も黒い血便が出るので大腸ESD手術を受けた方は食生活に気を使いすぎる程でいい。

続く


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