タイと日本の新型コロナ感染状況比較から見えてくること

何度も旅行に出かけており移住を検討したこともあるのでタイのニュースを国内と同じくらいチェックしている。

海外渡航が可能になったら出かけたいので感染状況も気になる。

タイは日本と違いコロナを水際対策で抑え込んで東南アジア諸国の中でもコロナ対策優良国だった。

そしてコロナの遥か前に旅行した時もPM2.5が多いといえば国民みんながマスクをしっかりつけるマスク大国である気質も日本とよく似ている。

微笑みの国とおもてなしの国なので隣国よりは遥かに性格も近しい。

そんな国の新型コロナ感染者数が目下急拡大中だ。

8/14現在で日に2万人前後の新規感染者がおり日々150人200人の方が亡くなられている。

そして軍事政権によりロックダウンが発布されて経済破綻で生活できなくなっている国民の一部と衝突を起こしている。

タイは人口7千万人の国家なので日本の人口で換算するとざっくり4万人だ。

死者数換算は日々300人400人というところ。

日本に置き換えるとわかりやすいがかなり厳しい状況になっている。

一方で日本は2021/8/14現在で1.5万人2万人に到達した。

死者数は日々で十数人でタイの数十分の一になっている。

長いスパンのグラフだと感染者数に五波目があるが死者数は四波で終わっているのも異なる。

タイの医療事情はコロナ患者を受け入れる公立病院とあまり受け入れない私立のような格差は無いようでオール医療で対応してもパンクして空港や寺院に病院を仮設置している。

もしかするとタイの方がコロナ患者に関わっている医療者数は段違いに多いかも知れない。

それでもこれだけ死者数に差が出ている理由のひとつはワクチン接種率だろう。

タイの2回接種率は7月末時点で5.5%しかない。

日本は8/10現在で全体が34%、65歳以上に至っては81%が接種済みだ。

グラフで比較するとお分かりの通りタイでは海外からの封じ込めができていたので日本の第三波、第四波どころか現在が第一波目といっても過言でない。

ASQなどを使った厳格な海外からの入国者に対する感染抑え込み制度は日本も見習って欲しかった。

その後エリア丸ごとでワクチン接種の外国人観光客を受け入れるサンドボックスを開始してから上手の手から水が漏れてしまったようだ。

観光を生業にしている面もあるのでどこかでワクチン接種者なら待機期間無しの外国人受け入れを開始しないと経済が戻らないので致し方ないところもある。

他国のような大きな感染の波がなかったので自国は大丈夫という多少の油断が接種率が上がらない理由のひとつだったのかもしれない。

あとはつながりが深い中国のシノバック製ワクチンを供給してきたのも理由のひとつ。

もちろんファイザー、モデルナを使いたかったと思うが費用やアメリカとタイ軍政の関係の面で厳しかったのだろう。

そしてタイは共産国のようにネット閲覧を制限されているわけではないので我々同様に海外ニュースなどで中国製の不活性化ワクチンの効果が弱いと知り接種率が上がっていかなかったのではないかと推測している。

現在タイ政府はアストラゼネカ製ワクチンを供給してもらい中国製ワクチンから混合接種も含めて英国製へ置き換えていくようだ。

タイ在住の日本人にも日本大使館の尽力によりアストラゼネカ製ワクチンの接種ができるようになっている。

それでも例えばよく観ているタイ在住の某日本人Youtuberも高額旅費を払って日本に一時帰国してファイザー製を接種するようだ。

タイ在住者にもシノバックよりアストラゼネカ、アストラゼネカよりもファイザーやモデルナの信頼や人気が高い。

(直近でファイザーよりモデルナの方がデルタ株の感染予防に強いという情報も上がったので今後はモデルナが一番人気になりそうだ)

まだ予約できない方もいるかも知れないが人気ワクチンを当然のように打てる日本は幸せだ。

無論シノバック製やシノファーム製を全面否定する論法を展開しているわけでない。

自分が毎年接種しているインフルエンザ予防のワクチンも同じ不活化タイプであれも中国由来の従来株に対するシノバック製と同様に感染予防は60%程度が限界だ。

水ワクチンと揶揄するメディアもあるが旧来型技術で本来開発期間のかかるワクチンをあれだけ短期間で作ったのは凄い。

欧米のワクチンの性能がこれまでの常識を超えていただけ。

せっせとザクを開発して世界に誇ろうとしたらガンダムを作られてしまったようなもの。

ザクだっていい機体だ。

だから日本で一部存在している新しいワクチンが危険だという人々ならインフルエンザでも使われている古い技術のシノバック製ワクチンも選択できるといい。

これもダメというなら子供の頃に接種したB型肝炎、ヒブ、日本脳炎、HVP、肺炎球菌や季節性で打つインフル、生の水疱瘡、BCG、おたふくかぜなどの予防接種を否定することになる。

途上国にも不人気で在庫を抱えてしまっていると思うので日本政府も中国に依頼して新しい技術のワクチンに不安を抱えている人々に提供するためシノバック製を少し提供もらったらいかがだろう?

個人的にはファイザーやモデルナに比べて重症化率の成績が格段に落ちるワクチンは打ちたくないが新技術が嫌な人なら仕方がない。

それにしても早く大量に作れるから採用された新技術のmRNAワクチンだ。

それと同じようなタイミングで旧来型を普及させることに成功した中国は一体いつ頃からワクチンの準備、開発していたのか?という疑念がある。

それをいったらmRNAなんて新技術をいきなり使って変異ウィルスまで対応しているファイザーとモデルナもいつ頃から準備していたのか十分怪しい。

このあたりは落ち着いたらウィルスの出所と共にどこかの学者さんが明確にしてくれると信じている。

話を戻すが日本がもしワクチン接種がここまで進んでいなかったもしくは中国製ワクチンを粛々と打っていたらという結果がタイの現状になる。

日本もデルタ株で4万人5万人と感染者が増え続けて死者数も虎の子のエクモもオーバフローで日々300人に近い死者数が出ていたと想像に易い。

このあたりの話題には一切触れずに相変わらず煽り倒している日本のマスコミだが数字からワクチンの効果は間違いなく良好だ。

タイの場合は憲法で縛られている日本と違いロックダウンをかけられるので市民と武力衝突があっても強行しこの先感染者数は徐々に下がっていくはず。

日本もお盆休みの行動ピークがあるのでその後にあとひと山あって50代、40代のワクチン接種が進みさえすれば感染者数はどうあれ重症者数と死者数は更に減って医療の負担も幾分軽くなっていくだろう。

私見だが集団免疫を突破するデルタ株のブレークスルー感染だと60代以下で一律に接種を進めるより重症化率の高めな40代までに優先的に接種できるようにした方がいいのではないかと考えている。


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