MAL34000SA-T72 4TB HDDの仕様 CMRを探し求めて

MARSHAL 4TB HDDを購入した。

メーカーの中古品や新品故障返品などを修理して再販するリファービッシュ品だ。

シーゲート、ウエスタンデジタル(WD)、東芝が新品を発売しているのになぜこんな再生品を買ったといえばHDDの記録方式が変更されたため。

CMRやSMRの詳しい構造を技術的には語れないが要はHDDの記録磁気媒体に対する書き込み方に違いがある。

SMRの方がより高密度で記録できるためCMRから切り替わってきた。

但しSMRはCMRよりランダムアクセス書き込み性能が劣る弱点がありキャッシュの増量などで緩和している。

環境によってはCMRだろうがSMRだろうが影響しない方も多いが我が環境でシーゲートのSMRのHDDが使い物にならなかった。

SMRのHDDをライト側にしてコピーを行うと転送量が20GB~30GBを超えたあたりで1MB/sまで下がり何日かかっても終了しない。

一旦終了してWindowsを再起動してコピーを再開しても同じ。

SMRのランダムライトは遅いと聞くがシーケンシャルライトなので首をかしげていた。

キャッシュと内部にあるCMRトラックを使い切った場合に発生するらしいが時期を空けて購入した同型番のHDDでも同じ症状でパソコンを変更しようがインターフェースを変えようがコピーツールを何種類かに変えようがダメなものはダメだった。

手持ちの古めのCMRのHDDではどれを使ってもこの問題は起きない。

諦めてCMRのHDDを探したが時すでに遅く廉価モデルでは販売していない。

ウエスタンデジタルのNAS用であるレッドブランドがCMRではあるが高くて買う気にならない。

そこで探してみるとMARSHALのリファービッシュ品であるMAL34000SA-T72に辿り着いた。

このHDDは4TBでキャッシュサイズが64MBしかないのでCMRだろうと購入してみた。

噂によるとT72モデルはオリジナルが東芝製の7200rpmのようだ。

購入時には7200円だったのでウエスタンデジタルなどの4TBの新品に比べ僅かに安いだけ。

CMRが欲しいとでも思わない限り敢えて手を出すことがない。

中古市場やオークションでWDのEZRZ系を探せばまだCMRの4TBのHDDが入手できる。

でもどんな状態で販売されているか分からないので工場でテスト済みのリファービッシュ品の方がまだ安心だ。

実際に短期間ながらテストをして今のところ普通に使うことができている。

そしてSMRのHDDのような速度低下も見られないので購入品に限ればCMRのHDDをオリジナルとして使用していたと推察できる。

購入したMarshalの初回のHDDベンチマーク結果は下記の通りだ。

かなり古い設計のモデルを使っていると思われるがそれにしては優秀な数字を叩き出している。

7200rpmの恩恵と、そもそもこの十数年HDDの技術進歩も停滞しているのだろう。

その代わりに動作音は昔のHDDのようにシャカシャカ鳴っている。

寝室で使うわけではないので個人的には気にならない。

購入直後のDISKINFOは次の通り。

ファームウェアで東芝のオリジナルの型番がわかるかと期待したがマーシャルの製品番号に書き換えられている。

製造元はフィリピンになっていたのでこの国にリファービッシュ工場があるのだろう。

使用時間は0だ。

但し駆動系や基盤などは中古が使用されている。

車で言えば中古車を修理して走行メーターをゼロに巻き戻して販売しているようなもの。

そして10時間ほど高レート、120時間ほど低レートの書き込みをして負荷テストをしたのちのHDDベンチマークの結果だ。

お分かりの通り2906GB書き込んで使用率は78%になっている。

外周より内周が遅いのは仕方は無いとして少し落ち方が激しい気もする。

それでもシーケンシャルで120MB/sもあれば個人的には十分だ。

その直後のDISKINFOになる。

衝撃によって発生したエラーレート3なのが少し気になるがこれはかなり初期の段階でカウントされてそれ以降はカウントされていない。

代替処理済みセクター、リードエラー、シークエラー、CRCエラーはノーカウントなのでこの個体は何とか使えそうだ。

稼働中にUSBポートの無理な引き抜きでもしない限りこのあたりのカウントがあれば即返品するつもりだった。

気になった点は7200rpmという高速回転のためか長時間書き込みをし続けると温度がかなり上昇する。

最高で51度を見た。

裸族使用だがケースに入れて使うなら排熱や送風を十分する必要がありそうだ。

仮倉庫のような使い方で常に稼働させているわけではないので自身の環境では使えそうと判断した。

リファービッシュ品なので新品よりも当たり外れのブレが大きそうだが同じモデルを販売している内にあと1台はMAL34000SA-T72を確保しておきたい。

CMRの廉価HDDが無くなった頃で、探すと同じような問題を抱えている人の需要が高まる気がしているのでHDDベンチマークと軽い負荷テストを行って調査した。

リファービッシュ品は購入直後に自身で負荷テストをして問題があったら返品覚悟で購入することをお薦めする。

なおシーゲート、ウエスタンデジタル、東芝の最新HDD(SMR)で何も問題なければ今後無くなりつつあるCMR HDDに敢えて手を出す必要は無いだろう。

こちらがデスクトップPCで1年半使用して9163時間経過したDISKinfoだ。

使用期間に使用時間が近いのはUSB外付けで電源上げっぱなしになっているため。

CRCエラーが若干あるが気になる程でも無い。

なおここに辿り着いた方ならご承知かと思うがWDの8TBの廉価モデルはCMRに戻っている。

4TBより値が張るが廉価版のHDDの新品が欲しいならこれ一択じゃないかな。

但しIntelliparkの問題があるのでNASに利用するなら要注意だ。


おすすめ記事

ためになる記事だと思ったらシェアおねげえします

フォローする