2025年7月、沖縄県北部に開業した新テーマパーク「ジャングリア沖縄」。国内では珍しい“ネイチャーアドベンチャー型”の大型施設として注目を集めましたが、開業直後からSNSやレビューサイトで運営や安全体制に関する意見が散見されるようになっています。
本記事では、現時点で確認できる事実とネット上の体験情報に基づき、ジャングリア沖縄のアスレチック内容と安全管理体制が国際的な基準と比較してどう評価できるかを整理・分析します。
1. ジャングリアのアスレチックの概要
公式サイトや体験者の動画・ブログなどを総合すると、同施設の主なアトラクションには以下のような特徴があります。
主なアスレチック内容
🧗♀️ 空中アスレチック(ロープ、足場渡り)
高所に設置されたネットや丸太、ロープなどの障害物をハーネス装着で渡る。途中退避が困難との報告もあり。
🪂 ジップライン型滑空アトラクション
高所からワイヤーで滑空するスリル系。自然地形と組み合わされ、複数ステーションがあると見られる。
🛻 バギー体験(Buggy Voltage)
土の道をバギーで走行。泥や粉塵の中を高速で走るダイナミックな体験。事故報告や安全懸念も。
🏞 自然地形を利用したウォークコース
やんばるの森の地形を活かした徒歩エリア。舗装されていない箇所も多く、滑りやすい場面も想定される。
🎢 大型ブランコ型アトラクション(Giant Swing)
高所から巨大な振り子型ブランコで振り落とされるように揺れる体験型。最大2名で搭乗、ハーネス必須。
2. 安全管理に関する報告と運営体制
● 現場の報告(ネット上の体験者情報より)
- 高所アスレチックには「一方通行で戻れない設計」だと説明を受けた、という報告あり。
- 一部アトラクションでは、混雑や立ち往生が発生した際の退避ルートが明確でなかったとの体験談あり。
- バギー体験中に「横転事故があった」とのレビュー(削除済みも含む)が一部確認されている。
- ハーネスや安全装備の確認が形式的・迅速すぎるとの口コミもあり。
● スタッフ体制と訓練(公開情報ベース)
公式サイトやプレスリリースでは、スタッフの安全訓練や資格に関する記載は限定的であり、ASTM(米国材料試験協会)やISOなど国際基準に準拠しているかどうかも明記されていません。
3. 国際的な安全基準との比較
項目 | 国際的な安全基準(ASTM, EN, ISO等) | ジャングリア沖縄(公開・観察情報) |
---|---|---|
高所アスレチックの安全基準 | EN15567-1(欧州)にて、退避経路・補助スタッフ・耐荷重基準の明確化 | 退避路なし/ガイド人数少なめとの報告 |
点検頻度 | 毎日+定期的な第三者点検が推奨 | 点検体制・頻度の公開なし |
スタッフ教育 | 救護・応急処置、AED、ハーネス安全管理訓練が義務化されている国も | 教育訓練制度の有無は不明 |
利用者の体調確認 | 心疾患や高所恐怖症などへの配慮義務 | 体調に関するチェック項目などの提示はなし |
緊急時対応 | 避難経路・搬送経路・監視設備の設置 | 詳細な救護体制の記載なし |
※現時点で公式に開示されている情報・体験者の報告をもとに比較
4. 現場での懸念と今後の改善可能性
開業直後の混雑やシステムトラブルなどに加え、アトラクションにおける「一時停止・退避が困難」「説明が簡素」「高温下での待機環境不備」といった報告がいくつか見受けられます。
ただし、重大事故の発生は現時点(2025/7/29)では報告されておらず、施設側が今後運営を通じて逐次改善する可能性も残されています。多くのテーマパークにおいても、開業初期には一時的な混乱や調整不足が起こり得るため、その後の対応が重要です。
5. 総合評価(2025年7月時点)
- 危険性を断定する情報はないが、一部安全設計や人員体制において、国際基準とのギャップが見られる可能性がある。
- 今後の改善状況(スタッフ教育、構造改修、情報開示など)を注視すべき段階にある。
- ネット上では懸念の声もあるが、過剰な煽りよりも、事実と基準の確認が重要。
結論
ジャングリア沖縄は、魅力的な自然アスレチック型テーマパークとして注目される一方、運営初期特有の課題も見受けられます。高所・自然・体験型アトラクションという構造上、他施設以上に綿密な安全設計と訓練された人員配置が必要とされる領域です。
現段階では、「安全に問題がある」と断定できる証拠は確認されていませんが、世界基準から見て情報の透明性と対応体制に改善の余地があることは否定できません。
今後の運営側による継続的な改善努力と、利用者側のリスク認識もあわせて、安全で持続可能な施設となることが望まれます。

✅ 本記事の主な出典一覧(2025年7月時点)
📰 公的・報道機関等
- 沖縄タイムス(2025年7月28日記事)
「ジャングリアのGoogleレビューが400件から13件に激減」報道今帰仁村に開業したテーマパーク「ジャングリア沖縄」に関し、インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」に投稿された「クチコミ」が非表示・削除されるトラブルが発生している。ジャングリア沖縄はX(旧ツイッター)で「グーグル社に対し、状況と原因の確認を進めている」とコメントしている。 - 日刊スポーツ・琉球新報など(ジャングリア開園報道)
アトラクションや立地、開園当日の様子に関する報道各種
🧭 ブログ・個人メディア(レビュー・体験記)
- こわにぶろぐ(はてなブログ)
ジャングリア体験レビューと運営上の懸念に関するレポート2025年7月25日に沖縄のやんばるの森でオープンした「ジャングリア沖縄」が話題です!広大な60万㎡の敷地に、恐竜サファリやジップライン、熱気球、スパとか、ワクワクするアトラクションが盛りだくさん! 筆者も沖縄旅行計画中でめちゃくちゃ楽しみにしていたのですが、蓋開けてみたら行った人の低評価レビューの嵐。 内容も、この状... - 沖縄トラベルガイド
アトラクション(Buggy Voltage含む)利用者の体験談と混雑状況2025年7月25日――沖縄本島北部の大自然を舞台に、かつてないスケールの新テーマパーク「ジャングリア沖縄」がついにグランドオープンしました。総面積60万㎡の広大な敷地には、リアルな恐竜たちが生息する圧巻のジャングルサフ
🌐 公式関連情報
- ジャングリア沖縄公式サイト
アトラクション概要・施設案内・運営理念等沖縄北部に誕生する、都会にはない興奮と贅沢のテーマパーク「JUNGLIA」のオフィシャルサイト。Power Vacance‼-ジャングルのエネルギーと呼応する超興奮と、都会の喧騒から離れて絶景に身を溶け込ませる贅沢に、経験したことのない解放感が本能を貫き、人生でいちばん、心がたかぶる体験になる。 - 株式会社ジャパンエンターテイメント(運営会社)
会社概要・代表者情報・出資構造 - 株式会社刀(プロデュース担当)
森岡毅氏が代表を務めるマーケティング戦略会社の公式情報株式会社 刀(かたな)は世界初のマーケティングノウハウのライセンシングカンパニーです。
🌍 比較対象の安全基準(国際)
- EN 15567-1:2015(欧州のロープコース安全基準)
欧州におけるアスレチックコースの設計・監督体制に関する基準 - ASTM F2959(米国:ロープアスレチック運営基準)
Ziplineや高所遊具などに適用される米国の安全設計基準