国民年金法一部見直し

年金制度の改正が話題になっていて、最近の記事では複数の視点が出ています。例えば東洋経済オンラインが「70歳以上で十分」と主張し(→https://toyokeizai.net/articles/-/142666)、産経ニュースは「若者世代へのツケを回避すべき」と提言しています(→https://www.sankei.com/smp/column/news/161107/clm1611070002-s1.html)。

しかし、現行制度の不備が深刻です。過去には受給開始年齢を60歳から65歳に引き上げ、給付乗率も23%削減されました。民間保険なら約款改ざん詐欺と非難されるような内容で、賃金変動に基づく支給額調整が問題視されています。

具体的な試算では、現在の老齢基礎年金を3%減額し、未来世代に5千円程度増やす案が出ています。しかし「将来」とは2043年以降のこと。現行世代より下の世代が負担する構造です。賃金に合わせた調整幅も政府の平均賃金次第で変動します。

問題は、既存の支給者への影響です。現在の支出削減は数千円程度でも実質5掛け程度の年金しか受け取れていません。年金改革ではまず現行世代を対象に医療負担軽減と保険制度の見直しが必要です。例えば支払いが多い層から一定額以上の方に対して、医療費負荷を軽減する仕組みが提案されています。

根本的な課題は「支出抑制」です。支払った額の7割しか返らない現状では、さらなる削減には限界があります。物価上昇率を考慮すれば実質5掛け程度の年金しか受け取れていません。持続可能な制度設計が求められる中で、支出削減単体では破綻への道です。


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