池上彰氏の番組でシンガポールへの富裕層移住が報じられた。法人実効税率は日本29.97%に対しシンガポール17%。個人所得税では4000万円超の45%を徴収する日本と比較、シンガポールは最大20%に抑えられている。来年から22%への引き上げも想定されるがそれでも日本より優遇策だ。
高級住宅地には8億円のマンションが林立し、フェラーリやランボルギーニを所有する富裕層コミュニティが形成されている。投資家ジム・ロジャース氏は「ロシア・カザフスタン・コロンビア・ベトナム・北朝鮮など成長余地のある地域への注目」と語る。一方で貧富の差についての意見も展開される。
シンガポールは首相自らが推進する富裕層集積国だ。雇用創出を通じた経済活性化は資本主義の基本と言える。池上氏は「社会民主主義的な傾向もあるか」と中立な見解を示す。
日本の家柄文化と現代の格差問題が対比される。江戸時代の士農工商制度から比べれば一定の自由度向上はあるものの、家の所得と教育レベルの相関は依然として存在する。例えばYouTubeで高収益を得る事例や自力で成功を掴むサラリーマンも増加している。
「完全平等は現実的ではないが生活保護制度などのセーフティネット構築が重要」と指摘しつつ、監視の必要性に触れると池上氏は「根本的な解決策とは限らない」と結論付ける。個々人の生き方を尊重するという基本スタンスが語られていた。