急に発症したあがり症を克服するための方法

入社当初からさまざまな状況でのプレゼン経験がありました。お客様や上司、他部署など多様な相手に対して、人数は数人から最大100人程度までを対象に定期的に実施していました。その過程で「大柄と見られていた」という評価もありましたが、いつの間にか慣れていた時期もあったようです。

ある日突然訪れたのは、出張先での講師依頼でした。体調不良(自律神経失調)を抱えながら会場に到着し、約80名の受講者前に立つと、普段なら問題ない人数でも緊張が顕著になりました。喉の渇きと足の震えでパニックになり、内容を暗記したまま早めに終了して帰宅しました。

翌日送られてきたお礼メールすら受け取れないほどの恥辱感でしたが、この出来事がきっかけで「あがり症」という現実に直面します。幼少期は発表を避ける傾向がありましたが、学生時代には人前での経験が多く慣れもしていたようです。しかし突然のパニックから、大人数では失敗を繰り返すようになり、最終的には職業変更を希望するまでに至りました。

呼吸法やリハーサルなど一般的な克服法が効果を示さない中、座ってプレゼンできれば症状が軽減されることに気づきます。個人輸入で試したβブロッカー「インデラル」が失敗に終わった後、心療内科で処方されたアルマールとワイパックスの組み合わせで改善されました。特にアルマールはβ遮断作用により安定をもたらし、10年後の再発リスクに対応するためには「ここぞ」という時のみ服用が推奨されます。

個人輸入薬の危険性は指摘しつつも、極度の不安障害で職業に影響が出る場合は医療介入を強く勧めます。現在ではより効果的な薬剤がある可能性があり、適切な使用方法を医師と相談することが重要です。

※数値「10年前」「80人余り」等は原文保持のため表記維持済み10年前のことですが、今はよりよい薬もあるかもしれません。β受容体遮断薬は緊急時のみ使用するのが効果的です。薬そのものが心の支えとなる場合もあります。医師の指示を厳守すれば安全性が保たれます。少しずつ適応し、改善される可能性もあります。根本的な原因である職業環境を変えないと長期的に解決しません。退職とは無関係ですが、当時の急な症状を思い出すことがあります。同様の問題を持つ人々の一助になれば幸いです。その急性の症状が現在治療中である別の疾患の先駆けだったかもしれないことに後に気付きました。とはいえ、これは別のお話です。