癌を調べるDWIBS検査受けてみた。軽い閉所恐怖症のMRI対策も

閉所恐怖症が年々悪化している。

仰向けになった状態で狭い場所にいるのがダメだ。

息苦しくなってしまう。

立ったり座ったりの状態であればロッカーの中に押し込められても何とも無い。

とにかく仰向けがダメ。

仰向けで狭いところといえば棺桶とMRIのいずれかだろう。

棺桶は生きているうちに入ることはないので大丈夫だ。

MRIは逃げ出したくなる。

軽いパニック障害か何かの一種だろう。

15年くらい前に検査した頃は何ともなかったのでその間に何が起きたか思い出してみた。

2008年に酒を飲んで寝ていて舌が喉に落ち込んで詰まり呼吸ができなくて救急車呼びかけてやばかった。

寝ている時から息が止まっていて起きてもまだ息ができなかったので心的外傷になっているのではないかと推測している。

直近は3年前に頭部MRIを撮った。

その時は頭と顔面を固定する機器装着が無理で外してもらってもまだダメで一度ブザーを押して中断して落ち着けてから再チャレンジしてなんとか終えた。

先日にCTの筒状に入った時もザワザワしたのでMRIを使った全身検査を受けるのはかなり厳しい。

クリニックの資料を読むとMRIに30〜40分も入っていないといけない。

癌のスクリーニング検査でリスクありなので何とか全身検査を受けたい。

DWIBS検査はPET-CTのように全身の癌をMRIで見つけてくれる2004年に開発されたがん検査方法だ。

何せ撮影がMRIなので被曝を気にしなくていい。

比較的短い間隔で受けて前後の画像から変化をチェックすることで精度を高めることもできる。

1年後の2回目を少しお安くしているクリニックもある。

PET-CTに比べて安いし拘束される時間が短い。

しかし閉所恐怖症で受けられないと内臓ひとつずつ検査していくか、被曝の気になるPET-CTを受けることになる。

そこで2つのMRI閉所対策を考えた。

ひとつは昔服用していた抗不安薬(メイラックス)の残骸を過去に服用していた証拠としてホームドクターに見せて頓服薬で数錠を処方してもらい当日飲むことにした。

できれば使いたくはなかった。

持病の自律神経失調症がひどい時には効果が感じられないが慰め程度で長期に渡って服用していたのにも関わらずサクッとやめられた。

自身の場合は効果が微妙な代わりに副作用などの危険も小さいと考えている。

偽薬でも飲めば海路の日和ありだ。

意味がわからんけどMRIに入る支えになる。

同じ閉所恐怖症があり過去に抗不安薬を使った経験がない方は必ず心療内科などで症状を訴えて診察して処方を検討してもらうのがいい。

重い閉所恐怖症の場合もまず心療内科や精神科に相談した方がいい。

おそらく内科医では理解してくれない。

ブログから情報収集するとMRIを受ける病院が閉所恐怖症に理解があれば薬で眠らせている間に受けさせてくれるところもあるようだ。

しかし薬で寝かせた後にストレッチャーからMRIへ運ぶのはかなりの手間になるので自由診療のDWIBSでは難しい。

もう一つの対策はより厳しい環境で事前に慣れること。

運よく自宅はベッドで下に薄い隙間がある。

潜り込むと顔と数cmの距離なので閉所恐怖症の訓練には都合のいいMRI仮想環境だ。

MRIは狭いといっても顔と機械の円筒の壁面の間にはかなりの隙間がある。

ここに全身を突っ込んで修行するわけだ。

色もちょうどアイボリーで本物のMRIと似ている。

実際に潜ってみるとやはり1分居るのも息苦しくなる。

そこで短時間に何度も上半身を入れてこの感覚になれる。

この修行何が辛いかってベッドの下もロボット掃除機の守備範囲なのにダニがいるのか腕が痒くなった。

何度かやっていると息苦しさより痒みが打ち勝つようになってきた。

少しは効果が期待できそう。

そして戦いの当日は4時間前にメイラックスを服用した。

長期型なので効いているかさっぱりわからない。

本来はMRIの間にガツンと効果を感じる短期型抗不安薬を服用した方がいいのだろうし何が向いているかは医師と相談するのが一番だ。

ただ心療内科に相談する猶予がなかったので過去に服用していた薬を内科で処方して貰い服用した。

服用から1時間後に念のためベッド下で最後の予行練習をした。

お、

薬が効いているのか特訓の成果なのかなんともない。

これ間違いなく効いてる。(これは個人の感想です)

目の前に迫るベッドの底をぼーっと見つめる余裕すらある。

息苦しさはない。

なぜこんなものが嫌だったんだろう?という余裕すらある。

この勢いで出かけようと思ったがまだ3時間あった。

しばらくしたら生あくびが出るので服用後1〜2時間がピークだ。

飲むのが早すぎたか?

短期型のデパスあたりだと受ける時には効果が切れていそうなので薬のピークにあった時間に飲まないといけない。

メイラックスは長期型なので数時間経つと多少効果が下がるけどMRIを受ける前の焦燥感も消えるので早めの服用が効果的と考えた。

検査へ向かう焦燥感すらなく落ち着いている。

効いてる。

使用当時は自律神経失調症に効果を感じなかったので偽薬かとすら思っていたメイラックスだったが普段の状態だとかなりの効果だ。

そして病院に到着して書いてきた問診票を受付に渡して着替えをして女性医師の問診を受ける。

体調は大丈夫ですか?程度と思ったが細かく病歴を確認された。

データとして集めて今後の検査に役に立てるのだろう。

そして最後に

女医「私もDWIBSを先日受けたんだけどかなり狭いから心してね〜♪」

(なんか嬉しそうな医師)

自分「MRIは何度か入っているのであの狭さなら大丈夫かと…(こわごわ」

女医「私もMRIは何度もあるけどそれとは違って全然狭いのよ。あと検査時間が長いわね。」

(閉所恐怖症の患者を脅してどうする…)

自分「いやあ、狭いところ苦手で…」

女医「でも大丈夫、少しの間我慢すれば全部の癌チェックができるんだから本当に素晴らしい検査よ」

(全てではないぞ)

自分「は、はあ……」

このクリニックはDWIBS検査を始めたばかりなので勤務医が試したようだ。

だから実体験をケラケラと語ってくれた。

彼女には悪気はない。

それにしても話が違う。

電話予約した時には顔にお面みたいなのも何もつけないような極普通のMRIだと聞いて決めたのだ。

それが普通のMRIよりかなり狭いとは。

着替えて15分遅れで検査が開始された。

しかし実際は想像の上だった。

医師のニュアンスとは違った。

ベッドに横になると頭を横から固定されて白い剣道のお面のようなもので顔面固定をされて頭はガチガチに固定され身体はコイルが入ったブロックのようなものでぐるぐる簀巻き状態だ。

中がコイルなのでかなり重くて圧迫感が強い。

イメージの写真よりもキツくて横にゴムのようなストラップでがっしり固定された。

MRIに入る前から息苦しい。

薬も効果が弱まっている感じがする。

そのままの流れで一気にMRIの筒の中に入れられそうになりストップをかけた。

無理無理

これは何かの拷問か?

過去受けたMRIの中で最低最悪だ。

これは無理!と検査技師さんと看護師さんにアピールする。

電話で予約を入れる時に説明を受けたMRIと違いすぎると抗議した。

しかしDWIBSはこのコイルを巻かないと撮影できないらしい。

顔のマスクも必要だと。

申し訳なさそうに説明してくれるのでこちらも軽い閉所恐怖症を隠してやってきた罪悪感がでた。

厳しいのでやめるという話で進めようとした。

それでもクリニック側は何とか検査をさせたいようで頭からお腹までとお腹と腰までを2回に分けてあとで合成するという妥協案で進めることになった。

さすがに薬が効いているせいか頭とお腹までがガチガチでも腰から下に圧迫がなくスースしていると案外大丈夫で円柱に入っても何ともない。

そのまま顔と上半身が簀巻きのMRIを乗り切ることができた。

同じく今度は一旦MRIから出て頭のお面を外し胸と下半身を簀巻きして機械の中へ。

今度は頭が自由だと身体全体の圧迫が軽減されるので検査をそのまま受けることができた。

自宅のベッドでやった特訓を現場でやった感じだ。

一旦頭から足まで全て簀巻にされて一番辛い状態を味わってから少し楽な状態にされたので気が落ち着き検査を受けられた。

検査中は何度も息を吸って止めて吐いて繰り返しとガンガン音がうるさい状況で大変だったはずだが途中で寝落ちしそうなくらい安らかな状態だった。

一度全部装着してやり直せば綺麗に検査ができる自信があった。

首からお腹とお腹から下半身に分けて撮影したので時間は2倍近くかかってしまい1時間半もMRIの中にいた。

この日は最後の被検査者で後がいなくてよかった。

もし後続にこの検査を受ける人がいたら1時間近く待たせてしまったことになる。

技師さんも看護師さんも一般病院ではありえないほど優しく本来閉所恐怖症はNGなのに軽い閉所恐怖症があるとわかると色々気にかけてくれた。

自費検査はどのクリニックも優しい。

あとはクリニック側もDWIBSの検査実績を積んで精度を上げたいのとこちらもなんとか全身がん検査を受けたいという利害が一致したことも大きい。

そのおかげもあって閉所という次元ではなく簀巻きで筒に放り込まれるという閉所恐怖症にとって生き地獄の検査をクリアできた。

薬の効きが落ちていたので次に検査を受ける時には1時間前に薬を飲めば何とかなりそうだ。

ただ人は忘れる動物でもあるのでまた同じ状態になるかも知れない。

抗不安薬は閉所恐怖症のDWIBSにかなりの効果があった。

但し個人差はあると思うのでこれを鵜呑みにして失敗されても責任は持てない。

結果はMRIデータが入ったCD-Rと診断書をセットで3週間後に郵送してくれるらしい。

何も出ない事を祈りたい。

ちなみにDWIBSは肺、胃、大腸、心臓の診断が苦手なので胸部CT、胃カメラ、大腸カメラと組み合わせるとより癌発見の精度が上がる。

あとは検査費用をクレジットカードで支払って帰途に着いた。

費用はクリニックによるが4万円〜8万円が相場のようだ。

PET-CTの1/3くらいと言われてるので単体で6万円以上だとぼっ○くりじゃないかな?

診断精度が高くて費用が安いクリニックが増えてくれると助かる。

結果


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