映画シン・ウルトラマンを観て

シンウルトラマンを観てきた。

監督は樋口真嗣氏で脚本が庵野秀明氏だ。

元ガイナックスチームだ。

樋口監督といえば一般的にはガメラシリーズやローレライや超絶駄作の実写版進撃の巨人シリーズが有名だ。

個人的には1990年のNHKのふしぎの海のナディアの島編の中継ぎの監督として評価している。

庵野監督が本編前中盤でこだわり過ぎて枯渇させてしまった人的資源を島編で節約してラストスパートのために温存させて最後は総力戦で成功させた立役者だ。

当時マニアしか観ていなさそうな映画王立宇宙軍やOVAトップをねらえ!よりもNHKでの長編アニメーションシリーズでの評価があったからこそ次の作品でガイナックスにテレビシリーズのオファーがありエヴァンゲリオンが生まれたと考えている。

どんなお仕事にも節約できる能力というのは大切だ。

こだわりの庵野さんとうまく立ち回る樋口さんという感じなので宮崎駿氏と故大塚康生氏もしくは鈴木敏夫Pのような関係かな。

映画には斎藤工主演、長澤まさみ、西島秀俊、早見あかりらが出演している。

保有情報はこの程度であらすじも知らずに公開1週間目に観た。

物語についてはネタバレになってしまうので書けないがシンゴジラ同様に本当に今の日本に怪獣とウルトラマンが現れたら実際はどうなるの?とリアリティを楽しむ空想特撮映画になっている。

シンゴジラの匂わす程度にしておけばよかったけれど庵野さんの説教臭漂う脚本だった。

もう少しシンゴジラのように政府や国民が右往左往するのがストーリーの軸かと思いきやシンウルトラマンは少し変な方に向かっている。

環境左派や全体主義も変に喩えていたのでそっち系の人は見ない方がいい。

その扱いがこれまた馬鹿っぽいので左派にとっては癇に障るだろう。

長澤さんのセクハラ騒ぎもそのあたりの人々がストーリーに腹を立てて八つ当たりのようの騒いでいるんじゃないかと勘ぐってしまう。

といってリアリティはシンゴジラほどでは無いので現実主義者もそれほど楽しめない気がする。

政府もシンゴジラの政権よりかなり馬鹿っぽかったが検討士にはならず良い悪いは別にしてバシバシ物事が決まっていく様は映画の尺の都合もあるだろうが現実政権へのアンチテーゼなのか?

いや、脚本完成はもっと前のはずだから関係ないな。

個人的にはせっかく頭を空にして楽しむ大衆映画なのに説教じみた雰囲気の漂う映画は好きではない。

もしくは60-70年代の日教組が反日的な思想を子供達に吹き込んで洗脳教育しようとしたり子供テレビ番組にも流れていた説教じみた雰囲気までも再現したオマージュなのかもしれない。

そういった作品として観れば面白い。

進撃の巨人の原作やアニメは思想的な物語という事をギリギリまで隠し引きつけて引きつけて左巻きオールドメディアを騙し討ちするような戦略に痛快さを感じている。

それと似た目的ならなお面白い。

あとシンウルトラマンのアクションシーンはさすが円谷と樋口監督がタッグを組んだ映像だと感心した。

当時のウルトラマンシリーズの着ぐるみとミニチュアによる軽い映像より現実にあれだけの質量が動いたりスペシウム光線を出すとどうなるかを表現できていたと思う。

個人的にはウルトラマンタロウ世代なので分かりにくかったが初代ウルトラマンのオマージュやガイナックス作品のオマージュのオマージュもてんこ盛りされていたように感じた。

初代を観ている世代ならもっと楽しめる気がする。

開始1週間の平日昼間に観たが7割くらい客が入っていたので興行収益もそこそこ出るのではないだろうか。


おすすめ記事

ためになる記事だと思ったらシェアおねげえします

フォローする