今年アマプラで完走した映画

ここ数年最後まで観ることができた映画が少なくなってきた。

単純に映画を観る集中力が無くなったのとちょっとつまらないシーンが続くとまた今度観ようとそのままになり2度と観るモチベが上がらない。

精神的に危険な気もするが親も歳をとってからそんな感じだったので遺伝だと決めつけて気にしないようにしている。

アマゾンプライムビデオの中は中途半端に「続けてみる」の状態になっている映画がずらーーーっと並んでしまった。

その数が数十本は下らない。

その中でも今年に入って一気観することができたアマプラで公開されている作品をご紹介したい。

さわり程度のネタバレも含まれており想像力豊かな方だと作品の展開やラストの察しがついてしまうかもしれないので観る予定の作品がある方は読まないようにしていただきたい。

異動辞令は音楽隊

泣きを押しつける脚本だが良作だった。

体験しないと見えてこないモノや職場のローテーションの大切さを教えてくれる。

仮想やゲームではダメなんだよと訴えているようにも見える。

そして外側から俯瞰することにより以前の自分がよく見えるようになるものだと。

会社の風通しが悪い会社の社長さんや人事トップにはぜひ観てほしい作品だ。

世界観がいいドラマは何を観てもいい。

そして主演の阿部寛さんはモデルから転身して映画はいからさんが通るの大根演技からスタートして場数と努力で演技力を身につけた俳優さんなので画面に居るだけで安心感がある。

ヒロインの清野菜々さんはCM女優とキングダムシリーズのキョウカイ役からアクション女優のイメージが強いけど普通の演技もいける。

女性版の真田広之みたいで万能なので生田くんと結婚しても女優業は続けてもらいたい。

さくらさくら サムライ科学者 高峰譲吉の生涯

日本人がアドレナリンの結晶化の特許取得と国内販売に成功していたとは知らなかった。

そして彼の数々の功績を並べるとなぜ義務教育で習わないかが疑問だ。

この映画は是非に小学生か中学生の授業で文部省推薦鑑賞作品に指定して欲しい。

功績も素晴らしく脚色は加わっているだろうが加藤雅也さんを通して実業実利の精神や人柄も伝わってくる。

全体的にB級映画感が漂い加藤雅也さんの演技は独特なので評価しにくいがドラマに引き込んでくれる力強さがあった。

あと渋沢栄一をちょい役で松方弘樹さんが演じているがバラエティとは凄まじいギャップで重厚に役柄を演じてくれると場が締まる。

彼は早世すぎた、もったいない。

再現ドラマのような演出でも十分に惹きつけてやめ時が見つからなかった脚本だ。

あと奥さん役のナオミグレースが下手くそだけどいい味を出していた。

海賊と呼ばれた男

石油会社の出光を作った出光佐三は昔から知っていた。

当時はイギリスとイランが闘争しておりどこの国も大国に気を使い石油を原油国イランから輸入ができなかった。

近海に英国軍艦がうろちょろしているところに民間タンカー1隻でイランに飛び込んで石油を運んで帰ってきたおかげでイランとのつながりができ石油不足の日本が経済復興できた。

そして他の国は敵国イギリスが怖くて近づきもしなかったが日本人だけがやってきてくれたという喜びからイラン人は昭和や平成初期までかなりの親日国だったというエピソードは日本人なら大抵どこかで聞き及んでいるはず。

しかし子供の頃に彼を扱う伝記は見当たらなかったので具体的に何を思って何を成したかは知らなかった。

波瀾万丈の人生とは彼のことをいうのだろう。

そしてジャニーズの中でも演技上手な岡田くんが主演を務めてこの映画をまとめている。

脇を固める俳優陣も豪華で上の作品とは比べ物にならない。

脚本も素晴らしくあとで調べてみると百田尚樹さんの作品だった。

彼の偉人伝は天下一品だ。

保守政党を立ち上げる暇があるならまだ表舞台に出ていない日本の偉人をガンガン書いて欲しい。

今や明治維新の立役者といわれる坂本龍馬だって司馬遼太郎が書かなければ無名のまま歴史に眠っていたんだ。

子供の頃に日本の昭和時代の偉人を知り感じることで日本の保守繁栄につながる。

ルパン三世vsキャッツアイ

いまだにルパンの声は山田康雄さんじゃないとダメ派なのでクリカンのルパン作品は観てこなかった。

それでもルパン50周年作品と書いてあったので観始めた。

先が読める展開でその予定調和が心地よい作品だった。

ルパン三世といえばモンキーパンチ先生のルパンと宮崎駿氏のルパンとが存在しておりかなり異なるキャラになっている。

更に細かくいえばモンキーパンチ先生のルパンと初代ルパンが近く2ndルパン、カリオストロのルパンと性格がかなり違いそれ以降の作品はこのどれかを受け継いている形になるようだ。

そして演出上モンキーパンチ先生のルパンなのか宮崎ルパンなのかを中盤あたりまで視聴者に隠している。

おそらくこれがこの作品の目玉だ。

こういう演出方法が使えるのもルパン三世作品に長い歴史があり色々な人が携わってきた所以だろう。

だから50周年に相応しいできになっている。

ルパン作品をいくつか観ていないとこの演出の意味はわからないがシリーズ初見でも楽しめるようになっている。

更にキャッツを表舞台にしてルパンは裏方に徹してでもおいしいところを持っていきラストはキャッツの原作者の北条先生らしいあたたかみを感じさせるストーリーでどちらのファンも納得できる良脚本だった。

唯一難点はキャッツの愛ちゃんのボーイッシュなかわいい声のはずが声優さんの年齢の限界を超えている。

ルパンは全てのキャスティングが代替わりしているしキャッツの泪も代替わりしているので無理に当時のキャスティングにこだわる必要もなかった気がする。

逆に瞳役の戸田さんが当時の艶を出して変わらないのが恐ろしや。

ドラゴンボール超スーパーヒーロー

緩急自在なストーリーで子供の頃のドラゴンボール好きが大人になって作った作品だと感じたが脚本は原作者の鳥山先生だった。

どうせ毎度のパターンだと思って観始めたが全然違う展開にワクワクして最後まで一気だった。

主役を横に置いて脇役だけでこれだけ面白いストーリーが作れるのもキャラの層の厚さと長い歴史のおかげ。

あとは原作者自身が作品に参加して脚本を書いたので毎度のパターンから外れ世界観が壊れようが原作者の怒りを買うことがないのは強みだ。

他人が世界観をいじって原作者の怒りを買ったいえば押井監督のうる星やつらビューティフルドリーマーを思い出すが原作者本人が作品のパターンを変えるなら問題ない。

テレビ版ドラゴンボール超のコミックリリーフはベジータだったがその元祖といえばピッコロなのを思い出させてくれた。

脚本もわかりやすく作画もいい。

1号、2号もかっこいいし温厚なゴハンがあれがあれして怒り狂うのも嬉しくなる。

ピッコロが一度だけ怒るシーンも胸熱だし最期の必殺技にあれを使ってくれと思って使ってくれた時にはニヤリとした。

師弟関係も健在だ。

さすが鳥山脚本だ。

声フェチなのでパンちゃんとビーデルの声をあてている皆口さんの艶と張りのあるフワッとした声も好きなので嬉しい。

展開が早くてダイジェスト感は否めないがこれくらいテンポが早い方が気軽に観やすい。

あと直近でシン・仮面ライダーも完走したにはしたけれどあれはタイトルから除外した。

後半ケタケタ笑いながら観てたけど庵野監督特有のブラックジョーク作品みたいなものか?

左に巻いた人達の感想を見たがこの物語のテーマは宗教二世だと自分達から矛先を変えたいのはわかるけどあれはAIやなんやらでオブラートに包んじゃいるがエヴァの人類補完計画と一緒だ。

人類補完計画は共産主義の行きつく先端だと考えている。

ショッカーの暗喩も理想主義や共産主義が没落する歴史の嘲笑にしか見えん。

その被害者である1号や浜辺さん扮する女の子あたりが親世代の思想に反発を持つ理想主義・共産主義者の2世、3世の現代人で、最期の生き残りの奴が今の西側諸国である自由主義のリアリストの象徴という構造だよな?

邪推入ってるけど主人公を監督の分身と考えると庵野さんって自分と似たような境遇でそのトラウマを映像化しているだけなのかも。

公開前は騒がれていたが公開後にメディアが沈静化した理由は進撃の巨人の後半と似たようなもので彼らにとって開けてびっくり玉手箱で臭いもの、すなわち自分達に都合の悪い主義主張に蓋をしたかったのだろう。

テレビも左巻きなのでシン・ゴジラあたりはアメリカ従属への皮肉として喜んで何度も再放映されるだろうが仮面ライダーあたりは1回だけで2度目の放映はまず無いと思う。

仮面ライダーの方がシン・ウルトラマンより拗れてる気がするが監督を公私によく知る人物の評だと彼の作りたいものをそのまま出したと言っていた。

シン・ゴジラのように単純で思想臭がせず怪獣が本当に現代に現れたらどうなる?といった大衆映画を量産してた方が制作会社に収益が出て監督の実績も上がるはず。

その方が次のオファーも増えていいはずだが宮崎駿もそうだけどみんな歳を取ると説教臭くなっていくなぁ。

歳を取ると中々最後まで観れる作品が少ないけれど

「いやあ映画って本当にいいものですね」


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