いくつかのギャンブルは試してきたが、正直、オンラインカジノだけはやる意味がまったくわからない。
ハマる人には申し訳ないが、論理的に考えれば考えるほど、プレイヤーが勝ち続けられる要素が見当たらない。
競馬、競輪、競艇などの公営ギャンブルは、レースが不正操作されない限り、すべての参加者が同じ条件で勝負している。還元率も明示されており、その範囲内で勝ち負けが決まる。
かつて負け続けても打っていたパチンコ・スロットも、釘や設定によって還元率が決まり、客は出玉状況などからある程度、店の意図を読み取ることができる。
出さない店には客が寄りつかず、やがて潰れる。つまり、最低限の「見える公平性」は確保されている。
しかしオンラインカジノは根本的に違う。
たしかに多くのオンラインカジノでは「還元率(RTP)」が96〜98%といった高水準で設定されていると謳われている。これは理論上、100ドル賭ければ96〜98ドルが戻るという意味だ。
だが注意すべきは、それがあくまで「理論値」であり、短期的にプレイヤーがその数字通りのリターンを得られる保証は一切ない。
また、その還元率が実際の運営環境で本当に守られているかを検証する手段は、プレイヤー側には存在しない。
ライセンスを取得し、第三者機関による監査を受けているサイトもあるが、日本からアクセスできるサイトの多くは、その監査体制や透明性が不明瞭な海外業者が運営しているのが実情だ。
つまり、たとえ「高還元率」を謳っていても、それが信用できる数字なのか、あるいは内部で操作されていないかどうか、プレイヤーには見抜くことができない。
オンラインカジノは、「出すかどうか」も「負けさせるかどうか」も胴元の手のひらの中で決められる世界なのだ。
さらに重要なのは、日本の法律ではオンラインカジノは違法という事実だ。
刑法185条・186条により、賭博行為は処罰の対象となっており、たとえ海外のサーバーで運営されていても、日本国内から接続して遊んだ時点で賭博行為に該当する可能性がある。
実際、フジテレビの番組プロデューサーや某アナウンサーなど、複数の芸能関係者がオンラインカジノにのめり込み、逮捕された。
しかも彼らは資産を溶かしただけでなく、違法賭博に関与したことで社会的地位も仕事もすべて失った。代償があまりに大きすぎる。
さらに厄介なのが、オンラインカジノには「あと少しで取り戻せる」という錯覚を引き起こす構造があることだ。
これは脳科学的にも「損失回避バイアス」や「依存症ループ」と呼ばれる現象で、一度ハマると理性が効かなくなっていく。
※かつてスロットにハマった経験者として言わせてもらえば、深みに落ちたときは「取り戻したい」ではなく、「打つことが使命」になっていく。もはやギャンブルではなく、一種の宗教状態だ。
オンラインカジノは、ただ勝ちにくいのではない。
「負けるように設計されている」ことを忘れてはならない。
しかもそれが違法であり、依存性が極めて高く、人生を壊すスピードも早い。
本当に、やる意味など一つもない。
これを読んでいるあなたが、まだ手を出していないのであれば、絶対に近づかないことを勧めたい。
もし今まさにプレイしているなら、一刻も早く抜け出す勇気を持ってほしい。
失ったお金は戻らないが、これ以上失う未来は止められる。

残念ながら、すでにハマってしまっている人には何を言っても響かないのかもしれない。だからこそ、せめて「まだやっていない人」にはオンラインカジノにだけは絶対に手を出さないでほしい。
もちろん、ギャンブル全般で長期的に勝ち続けている人なんて見たことがない。だからせめて、馬やボートを観に行く「レジャー」として楽しむ程度なら、まだマシかもしれない。
IRについては、チャイナさえ絡まなければ個人的には賛成派だ。だが大阪の計画もどうなることやら。パチンコのように韓国に資金が吸い上げられていた過去を繰り返さないためにも、今後は国民による厳しい監視が必要だと思う。