企業型確定拠出年金からiDecoへの移管手順(完全版)

企業型確定拠出年金に加入しており退職して当面再就職する予定がない、自営業をする、再就職先に企業型確定拠出年金がない場合は個人型確定拠出年金(iDeco)に移管する必要がある。

しかしネットで調べていても正しい手順が見当たらず困惑していた。

実際に移管手続きをし手順が明確になったのでまとめた。

企業型確定拠出年金運営機関の一つである日本レコードキーピングネットワーク(NRK)からSBI証券に移管する手順になっている。

移管先の個人型運営機関は自分で決める事になる。

特に運用するつもりのない人は運用管理手数料が0円の楽天証券やSBI証券でいいだろう。

運用予定の人は自分の投資方針にあったプランのあるiDecoを運営している金融機関を見つける必要がある。


個人型確定拠出年金へ移管のスケジュール


6ヶ月以内に移管を完了する。

もしそれ以上放置すると国民年金基金連合会に自動的に移管されてしまう。

自動移管されると3つのデメリットがある。

  • 年金資産は運用されることなく現金で管理され、掛金拠出、運用指図、年金給付のご請求等を行うことがでできない。
  • 自動移換後の連合会に預け入れられている期間は正式な加入期間とは看做されないため、受給開始の時期が遅れる場合もある。
  • 移換手続きに伴い必要となる手数料とは別に、連合会への移換手数料等(特定運営管理機関手数料等)の負担が生じる。

出典 りそな銀行

余計な手数料が発生するので早めに移管処理をしたい。

しかし退職直後に手続きが開始できるわけではない。

勤めていた会社から企業型運営管理機関(NRK)に退職が通知され資格喪失の処理が行われてから個人型運営管理機関である銀行や証券会社(SBI)へ移管する流れになる。

資格喪失後の案内は1〜2ヶ月で到着するのでそれに合わせ個人型運営管理機関へ申請用資料請求をする。

実際に資格喪失の案内は約40日でNRKより届いた。

資格喪失後の案内と申請用資料で個人型運営管理会社へ提出すればあとは完了通知を待つだけ。

(検索して見つかる情報は3番以降が欠落している)

1.退職する

退職時に確定拠出年金に関するアクションはない。

ただしばらく待つ。

2.移管する予定の証券会社(SBI)から資料請求する

SBIに限らずどこのネット系証券会社でもまず口座を作ることが前提。

そして加入後に資料請求を行う。

SBI証券 iDeCo資料請求

資料請求では自身が次の会社に入社しているか、無職・自営業か年金資金があるかないか継続して掛け金を掛けるか否かによって届く申請資料が異なるのでいい加減に選択してはいけない。

例では無職、移管する資産あり、企業型確定拠出年金から移管する、掛け金は無しのケースで資料請求をしている。

なお資料請求は退職後直ぐでなくとも問題ない。

理由は確定拠出年金管理機関(NRK)から通知が届かないと申請できないのでその間に申請フォームが変更されていると再提出になる可能性もある。

SBIの場合だと書類は約2週間で届くので退職して3週間後に資料請求すると丁度いい感じだ。

3.確定拠出年金管理機関から加入者資格喪失のお知らせ

退職後1か月〜2か月で確定拠出年金管理会社から確定拠出年金の加入者資格喪失のお知らせが届く。

退職後2ヶ月以上かかっている場合は管理機関に連絡した方がいい。

この通知で管理機関が退職を確認して移管先の証券会社や銀行に移管してもいいという手続きがされた。

この通知書から移管の申請に必要な情報は太字の基礎年金番号と実施事業所登録番号の2つ。

4.申請書類に記入して銀行や証券会社(SBI)へ提出する

SBIの場合であれば書類請求時に選択した内容で必要な書類だけが送付されてくるのでそれに記載して送り返す。

無職、企業確定拠出年金からの移管、新規に拠出はしない(掛け金無し)だと提出書類一覧のVの申請になる。

必要な書類

  • 個人別管理資産移管依頼書
  • 確認書
  • 本人確認書類(免許証や保険証などの写し)

個人別管理試算移管依頼書に3番で届いた通知書の基礎年金番号と実施事業所登録番号を書き写す。

他は氏名、生年月日、住所、勤めていた会社名、拠出年金管理会社などを埋める。

確認書はその証券会社や銀行で確定拠出年金を運営する同意書で氏名や連絡先を記入し免許証や保険証の写しを台紙に貼り付けて提出して作成終了。

新規に拠出する(掛け金あり)の場合はBの申請になり個人型年金加入申込書が追加になる。

拠出する銀行口座なども記入することになる。

移管に4か月程度かかる場合があるようなのであとは完了通知を待つだけ。

この手順の2番と3番が入れ替わって資格喪失通知が届いて資料請求しても問題はないが紹介した手順がよりスマートだ。

5.書類受け取りのメール

下記のメールがSBI証券より届く。

このたびは「SBI証券個人型年金プラン」にお申込みいただきまして、

誠にありがとうございます。お客様の返送書類を受領いたしましたので、

ご報告させていただきます。

万が一、書類に不備があった場合は別途返送させていただきますので、

大変お手数をお掛けしますが、不備内容をご確認の上、

再度、ご返送いただきますようお願いいたします。

■□■今後の流れ■□■

当社での書類確認が完了した後、国民年金基金連合会で加入資格等の確認が行われます。

確認が完了いたしましたら、加入者さま向けサイトのログインID等が記載された

「IDおよびパスワードのお知らせ」をお客さまのご住所宛に発送いたします。

発送までには概ね1ヵ月~2ヵ月程度かかりますので、いましばらくお待ちください。

6.iDeco用の口座情報が届く

SBIの場合は3〜4週間経つとiDeco用(個人型年金プラン)のURL、ユーザー番号、パスワードの同封された書類が届く。

この時点ではまだ移管は完了しておらず資産はゼロ円になっていた。

よくある質問も同封されていたので記載した。

Q.資産の移換にかかる日数は?

A.受付をしてから不備が無ければ1〜2ヶ月

Q.資産の移換が利用者サイトに反映されるタイミングは?

A.資産が移管されたのとほぼ同時

Q.今月分の掛け金から運用指図内容を変更したいのだが?

A.毎月26日の9営業日後までに変更を行うと当月分から反映する。

Q.運用商品の売買結果が利用者サイトに反映されるのはいつ?

A.運用購入日から2〜3日後

Q.届出内容に変更があった場合は?

A.変更届の提出が必要。

詳しくは

7.国民年金基金連合会より通知が届く(完了)

4番の申請から約2か月後に国民年金基金連合会より個人型年金移管完了通知書と個人型年金運用指図確認通知書が届く。

これで確定拠出年金が新しい管理機関(iDeco)に移管され運用ができるようになった。

実際に退職して3か月10日間ですべて完了している。

ちなみにSBIの場合はSBI証券のサイトではなくSBIベネフィットシステムズにログインして運用することになる。

NRKは拠出年金の移管を忘れ放置しているとホームページで名前と住所の一部を晒されるようなのでご注意を。


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コメント

  1. のんまると より:

    個人型への移管が完了するまでは「拠出しないが運用している」状態です。
    私はこの間の値ブレが気になったので、退職と同時に元本保証の定期預金型にスイッチングしました。
    何にしても60才まで引き出せないのが鬱陶しいですね。

    • ohrat より:

      毎度コメントありがとうございます。
      そうですね、確定拠出年金は税金優遇があるといえ買える投資先が運営機関のプランに制限されますし
      受け取る時には結局税金がかかるのでそれほど嬉しい制度ではないですよね。

  2. ちょっとブログ内容とは違うのですが、仮に個人型確定拠出年金に加入していて、就職後に企業型確定拠出年金がある場合は移管しなければならにのでしょうか?

    面倒なのでずっと個人型確定拠出年金のままにしておきたいのですが。

  3. ありがとうございます。
    リンク先をみてみます。