# 移住して金利で生活する―東南アジアの定期預金事情
## 1. はじめに
「移住して金利で生活する」というアイデアは、夢見るようなライフスタイルですが、実際にどこでどれだけ稼げるかを知ることが重要です。この記事では、2016年の東南アジア各国の国内1年定期預金金利と為替リスク・保険制度について整理し、移住先として最も魅力的な3カ国（インドネシア、マレーシア、タイ）を紹介します。
## 2. 2016年 国内1年定期預金金利
※単位はパーセント
| 国 | 通貨 | 金利 |
|—|—|—|
| ベトナム | ドン | 3〜7％ |
| インドネシア | ルピア | 5〜6.5％ |
| マレーシア | リンギット | 2.85〜3.7％ |
| タイ | バーツ | 1〜2.8％ |
| フィリピン | ペソ | 1〜1.2％ |
| シンガポール | ドル | 0.1〜0.75％ |
シンガポールは日本よりも金利が高いものの、実際に定期預金を行うには手続きや出金制限が厳しく、現地で生活する場合は選択肢になりにくいです。
## 3. 実際に預金できる国の絞り込み
– フィリピン・シンガポール：金利低めかつ口座開設が難しいため除外。
– ベトナム：定期預金の手続きが複雑で、出金時に大きな手間が発生するため除外。
残る3カ国は、インドネシア・マレーシア・タイです。これらは移住手続きも比較的容易で、現地銀行の口座開設もスムーズです。
## 4. 為替リスクと金利の実質効果
為替レートが円高になると、実際に得られる金利は大幅に減少します。以下は各国の為替状況（2023年時点）を示したグラフです。
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– インドネシア：円高が進行中で、過去5年間も円が上昇しています。
– マレーシア：同様に円高傾向。
– タイ：円高が安定しており、レートは5年前の水準に近いです。
## 5. ペイオフ制度（預金保険）
海外銀行で預金する場合、万が一破綻した際の補償額を確認する必要があります。以下は主要国のペイオフ上限です。
| 国 | 補償上限 | 例：預金額 |
|—|—|—|
| マレーシア | 25万リンギット（≈625万円） | 3銀行で2000万円を分散 |
| タイ | 2500万バーツ（≈300万円） | 10銀行に分散すると約3000万円 |
| インドネシア | 20億ルピア（≈1600万円） | 2銀行に分散し2000万円 |
ペイオフ上限を考慮すると、インドネシアの方が比較的安全かつ高金利で生活できる可能性があります。マレーシアは3銀行に約2000万円を預ければ年間60万円、インドネシアでは2銀行で同額を預けて6％なら年間120万円の利息が期待できます。
## 6. 経済・政策金利の動向
– マレーシア：過去5年は3％前後で安定。今後も比較的予測しやすい。
– タイ：王室関係の不透明感があるため、短期的にはリスクが高め。
– インドネシア：政策金利が7％以上から4.7％へ大幅に引き下げられた経緯があります。将来的な金利上昇の余地は限定的。
## 7. まとめ：移住先としておすすめの国
| 国 | 金利 | 為替リスク | ペイオフ | 推奨度 |
|—|—|—|—|—|
| インドネシア | 5〜6.5％ | 円高進行中 | 高い | ★★★★ |
| マレーシア | 2.85〜3.7％ | 円高進行中 | 中程度 | ★★★ |
| タイ | 1〜2.8％ | 円高安定 | 低め | ★★ |
インドネシアが最も魅力的です。
– 高金利で、為替リスクをある程度ヘッジできる通貨（ルピア）を持っています。
– ペイオフ上限も比較的大きく、分散投資もしやすいです。
## 8. 次のステップ
1. 為替相場を定期的にチェックし、円安局面で入金するタイミングを見極める。
2. 銀行選びは、ペイオフ上限が高く、手数料が低いところを選択。
3. 分散投資：複数の銀行に預けてリスクを軽減。
> 出典: 楽天証券
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以上で、東南アジアの定期預金事情と移住して金利で生活するためのポイントを整理しました。将来的に円安が続く場合は、インドネシアやマレーシアへの投資を検討すると良いでしょう。