メタロ・バランス検査(血液によるがん検査)を受けてみた、そして結果は?

血液から癌を調べる検査は昔からある。

皆さんご存知の腫瘍マーカーだ。

しかし腫瘍マーカーは、

がんの早期発見には全く意味の無い医療行為であると言えます。

と言い切る病院もある。

腫瘍マーカーで早期発見に一定の有効性があるのはPSAくらい。

総合病院でもPSAを前立腺がんの検査に使っているので賛否あるようだがそれなりの精度があるのだろう。

最近は腫瘍マーカー以外の早期がん発見血液検査が生まれている。

ひとつがマイクロRNAでもうひとつがメタロ・バランスだ。

本命はマイクロRNAで13種類のがんを99%の確率それなりに高い確率で発見できる画期的な検査らしい。

数年前には2万円程度で検査が受けられるというニュースが出ていたがいざ蓋をあけるとミアテストという検査の商品名で検査費用25〜45万円くらいが相場になっている。

ミアテスト対応医療機関

12〜13種類のガンを調べるための身体の負担を考えたらお年寄りにとっては安いのかも知れないが一般人がおいそれと受けられる金額ではない。

宿泊付きの高級人間ドックが受けられる費用だ。

まだ自由診療で今後価格が下がっていくかもしれない。

全種で5万円以下であれば受けたい。

そしてもうひとつのメタロバランスは検査費用1.5万円前後と安い。

マイクロRNAが遺伝子検査であるのに対してメタロバランスはその名の通り身体の中の元素のバランスによってガンをスクリーニングする検査だ。

健康な人とがん患者の血液中の元素量をできるだけ多くサンプリングして得たパターンでどちらに近いかで判別している。

しかしスクリーニングというだけあって精度が微妙だ。

出典メタロ・バランス

A〜Dまでの4段階判定となっており例えば大腸がDと判定されてもガンの確率は20人に1人というレベル。

Dと判定されたからといって絶望するほどやばいわけでもなさそうだしAと判定されてもがんの確率はゼロではない。

先程のマイクロRNAの精度99%に対して5%しか当たらない。

この検査に意味があるのだろうか?

それでも腫瘍マーカーよりはマシなのでD判定が出たら内臓を優先的に内視鏡検査、エコー検査、CT、MRIを受ける指標にはなりそう。

マイクロRNA検査が安くなるまでのつなぎとして使えそうだ。

今年は大腸と胃を既に内視鏡検査をして肝臓、膵臓はエコー検査、前立腺はPSAも定期的にやっているので問題ない。

しかし肺には3年前のPET-CTで結節が見つかっておりその後のCTでも確認されており2年ほどそのままで今に至る。

コロナ騒ぎと肝臓値の悪化でCTを2回受けたためこれ以上被爆したくないのでしばらくCT検査をスルーしている。

もしこのスクリーニングで肺の判定がCかDかだったら来年に肺のCTを撮るきっかけにできる。

というわけで1万円を支払って血液を取るだけの負担なので試しに受けてみた。

申し込みはメタロバランスサイトからできる。

進めていき自分の住んでいるブロックを選ぶと開催しているクリニックや医院が表示されるので選択して開催日時にチェックして1.5万円(税別)支払うかモルモットになって研究対象の割引の9千円(税別)で済ませるかを選び、

氏名、住所などを記入すれば予約ができる。

支払いは検査後に振込む。

研究対象といっても何度か受ける宣言をするだけで義務が発生してペナルティを取られるわけでもないので病歴など個人情報を出しても問題無ければ安い方を選べばいい。

ただ開催する病院によっては1.5万円のコースもしくは9千円のコースいずれかしか選べないところもある。

今回はどちらも選べたので9千円コースを予約して受けてみた。

申し込むと数日でA4封書が届く。

その中に検査日時が15分単位で書かれている。

事前に記入して持っていくのは申し込み書、問診票、MBクラブ入会書、振込依頼人の用紙の4つだ。

5分もあれば記入できる。

ひとりだけなら振込み依頼人用紙は不要だ。

検査が受けられない人として妊娠中、肝機能低下、血液疾患、先天性代謝以上など8種類あるので注意が必要だ。

検査前にはサプリメント、特にマルチミネラル系が制限されて当日は絶食となっている。

マルチミネラルを飲んでいるので念の為10日前から飲むのをやめておいた。

睡眠薬も1週間以上使わないようにした。

せっかく1万円も出すので精度は高い方がいい。

逆に水分取得は推奨されているのでガブ飲みしておいた。

当日の朝絶食して出かけた。

検査を受けるのは予約時に選んだ普通のクリニックだ。

10分ほど早く着いたが検査を受ける人が一組いた。

15分単位でグループ10名でもいるのかと思ったが参加者が少ないのか15分で数組いるかいないかのようだった。

受付で3つの記入済み用紙を渡して振込みの案内などを貰ってすぐに採血だった。

看護師さんが1名居て採血は1本だけ。

振込み確認をして約5週間で結果が郵送される。

翌日に振り込んだのであとは待つだけ。

結果

メタロバランスの結果が出た。

5週間かかる案内だったが検査翌日に振り込みをしたところ約2週間後には郵送で結果が到着した。

左からA-Dの4段階の判定に小数点付きの10段階のMBスコアとそのスコアを棒グラフにしたチャートが送られてきた。

検査にコストはかかっているのだろうが成果として送付するのが紙ペラ1枚なのでMBスコアの小数点以下は被験者に取って意味はなさそうだがしっかり調べているとせめてものアピールと感じ取った。

ざっと見るとB判定が多い。

あまりいい結果ではない印象だが国民全体が1年間で癌になる平均の確率がB判定だ。

Bだから悪いと残念に思う必要はない。

ふつうであればオールB判定になる。

大腸、胃、肺、膵臓がB判定なので平均的なガンになっていない確率と同じだ。

一方で肝臓についてはA判定なので一般的な人がガンになっている確率の約十分の一の確率まで下がる。

だからA判定が並んでいればかなり嬉しい結果だ。

一方でC判定の前立腺ガンは一般平均の確率の4倍なので悲しい結果だがそれでもガンは200人に1人の確率なのでCだったら少し早めに検査でもしておくかということになる。

元々持病の治療の副作用で前立腺がんのリスクが高いため年に2回自費でPSA検査をしており昨年末にはCTを撮って泌尿器科の医師にも前立腺をチェックして貰っているので大丈夫だ。

気になっていた肺の結果はB判定の「普通」なのでそれほど急がず来年コロナが落ち着いてからかもしくは再来年にCT検査で診断してもらうことにした。

このメタロバランスはガンを見つけるというよりも胃カメラ、大腸カメラ、胸部CT、腹部CT、エコー検査、PSA検査、マンモグラフィー検査などの健康診断をどの順番でやろうと優先順位つけをするために有効ではないかと考えられる。

そして次に受けたのは尿の線虫がん検査だ。


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コメント

  1. 稲垣精一 より:

    がん検査の精度に関してお知らせします。
    精度は、感度、特異度、陽性的中率の3種類が大切です。
    感度は、がんの人を当てる確率、特異度は、がんで無い人を当てる確率です。
    但し、検査を受ける集団が100%がんの人ばかりを検査で当てられる確率が感度です。
    また、検査を受ける集団が100%がんで無い人を当てられる確率が特異度です。
    陽性的中率は、がんと判定された集団のなかに実際のがんの人が混じる率ですが、
    検査を受ける集団ががんとがんで無い人が混じった集団で、感度、特異度と定義が違います。検査を受ける集団の中にがんの人が混じる率が有病率といいます。
    有病率が低くなるほど陽性的中率が低くなります。つまり当たりにくくく成るわけです。国が推奨している5種類のがん検診(大腸、胃、肺、子宮頸、乳)の陽性的中率は、数%で、一番高い乳がんのマンモでも4.8%です。これは、有病率が0.2%以下と低いために起こります。感度、特異度は80%~90%もあるのにです。
    このように感度、特異度ともに100%で無い限り陽性的中率は小さくなります。
    ちなみにマイクロRNAの陽性的中率も発表されている感度、特異度から計算すると5%以下になります。現状どのような検査でも95%の人はがんで無い人をがんと誤判定することは避けられません。