3Dプリンターの一層目剥がれ対策の秘密兵器

突然やってきた一層目の印刷剥がれ

3Dプリンターのneptune2Dを購入して2週間ほど何事もなく動いていた。

こんなに簡単に印刷できるとはと喜んで使っていた。

12個くらい印刷しただろうか。

突然それはやってきた。

底辺が15cm、15cmという大きめのモノを作ろうといつもようにMicroSDカードを入れて印刷開始してしばらく放置していたらあちこちがぐちゃぐちゃになっている。

昔ながらのパーマをかけた頭のように。

仕方がないので終了してゴミを剥がしてレベリングし直して再度開始する。

今度はさっきよりもひどい状態だ。

ノズルにフィラメントがグルグル引っ付いてグチャグチャなので高温のままでニッパーで掃除して再始動する。

3回目は最初からヘッドの動きを凝視していると一層目のフィラメントが正しくラインを書いていない。

ずるっと滑っている。

ヘッドに引き摺られてあらぬ方向になってしまう。

これでは一層目が作れない。

どうやってもラインが寄れて変なところで重なりノズル周りでぐるぐる巻きになりぐちゃぐちゃになる。

早くも故障か?

と購入時にデータがついてきた小さな大仏を印刷してもノズル回りフィラメントがこびりつきぐちゃぐちゃ。

ノズルを掃除したりしているうちに症状が悪化していく。

ダマになったりで最期は真っ直ぐフィラメントが降りてこなくなる。

ノズルを外そうとなめる

これはノズルもダメになったのか?

そこで予備のノズルに変えようとした。

本体に付属していたメガネレンチで予備のノズルと交換しようと回してもびくともしない。

しばらく繰り返して六角をなめてしまった。

繰り返すうちにボロボロだ。

おまけのレンチもボロボロだ。

ノズルが外れないのでイラッとしてこんな3Dプリンター捨てるかと思ったがこのサイズだと粗大ゴミだし捨てるのも面倒だ。

情報を集めるとノズルを温めたままレンチで外さないと取れないらしい。

車から大きなラジオペンチを持ってきて200度にしたままゆっくり回したら外れた。

なぜか6mmのラチェットレンチだけ家の工具箱になかったので買っておかないといけない。

考えてみれば常温だと内部でフィラメントが流れて固まっているわけなので温めた状態でノズルを回すのは当然か。

外しているノズルが落ちてきて思わず手で拾い大惨事にならないようラチェットレンチよりソケットレンチがいい。

何せノートラブルだったので3Dプリンターのメンテスキルが初心者レベルまで達していない。

まさかの糊?

ノズルを交換しても一層目の剥がれは変わらなかった。

突然出たので故障と思い込んでいたがこれはビルドプレートの問題かと軽く洗ってみたがやはり症状は変わらない。

ノズルとプレートの温度を変えたり接着をラフトに変えたり一層目の速度を落としたりフィラメント冷却ファンの速度を変えたり定着しそうな設定を試しても変化なしだ。

ラフトや速度低速化は効果的なはずだがラフトの一層目そのものがぐちゃぐちゃになるのでどうしようもない。

またノズルがみるみる汚くなっていく。

ネットを検索すると一層目剥がれ対策にはスティック糊を塗っていた。

スティックのりが家になかったので真ん中あたりにテープ糊をプレートにギーコギーコ塗って印刷したら普通に大仏ができた。

(テープ糊は絶対使ってはいけない。あとで剥がすことができない。)

まだフィラメントを1/3くらいしか使っていないが買って2週間でビルドプレートの寿命がきたのか?

プレートの温度を変えても剥がれは変わらないのでプレートの特殊なコーティングが剥がれたんだろう。

一般的な一層剥がれの対策

一般的な3Dプリンターの一層目剥がれの対策を並べるとこんなところ

  1. レベリングで再調整
  2. オープンタイプならエアコンなどのフロー影響から防風
  3. 一層目の速度をスライサーで下げる(Top/Botom Speed)
  4. 一層目だけスライサーでファン停止制御する
  5. フィラメントとプレート温度を調整する(主に上昇)
  6. ビルドプレートを洗浄する
  7. マスキングテープを貼る
  8. プラットフォームシートを使う
  9. スティックのりを塗る

実際に9番と同様にテープ糊を塗ったらなんとか安定した。

1、3、4、5、6番はやってみたが効果なしだった。

2は無風の部屋なので対象外だ。

7番は…面倒

8番はお金がかかる

この環境だとやはり一層目低速と糊のセットが一番低コストで簡単に安定するのだろうか?

そこで登場、秘密兵器

国内の一層目剥がれ防止の秘密兵器はスティック糊だが海外の動画を調査するとヘアスプレーが使われている。

確かに髪を固めるから粘着力がありそう。

そしてふりかけるだけでいいので糊よりスマートだ。

早速ダイソーへ行き探す。

大型店舗だが販売していないようだ。

ドラッグストアでそこそこ高価なヘアスプレーを買うしかないか?

仕方がないのでスティック糊も買おうと文房具コーナーで見つけたのかこちらの「のりスプレー」だ。

ヘアスプレーより効果が間違いないのでは?と喜び勇んで買ってみた。

結論は使える。

スティックのりと比較したわけではないが今のところ一層目はきっちり定着してくれる。

もしかするとスティックのりの方がもっと安定する可能性もあるがスプレーで塗布するだけなので楽だ。

周りの機械にかからないようビニールなどで軽くマスキングをしてプシューと振りかけるだけでOK

いいものを手に入れた。

ただのりを貼っても最初のテスト印字からの本番でフィラメントがずれたのを引きずって形が崩れることもあるので

のりスプレー+ラフト+ノズル195度+プレート温度60度

で安定するようになった。

その後5つほど印刷してみたが一層目で温めたフィラメントがヘッドに引き摺られてずるずる蛇のように動くのが夢だったかのように安定してくれた。

フィラメントを交換した訳でなはなく突然一層目剥がれが発症した原因ははっきりしないがPLAフィラメントが湿気を吸った、フィラメントの後半の品質が悪い、PLAが減り径が小さくなりエクストルーダーの出来が悪くノッキングが出るようになった、シートの上に何か特殊な塗装でも施されてそれが綺麗に剥がれてしまったとか。

あとは冬と春の境目で室温が上昇したのと若干湿度が上昇したのも影響がありそう。

単独犯か複数犯かわからんが被疑者が多すぎてのりスプレー使って様子見するしかない。


おすすめ記事

ためになる記事だと思ったらシェアおねげえします

フォローする